研究課題/領域番号 |
11470195
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田中 良明 日本大学, 医学部, 教授 (20023806)
|
研究分担者 |
齋藤 勉 日本大学, 医学部, 講師 (80139120)
佐貫 榮一 日本大学, 医学部, 助教授 (50142500)
浦橋 信吾 日本大学, 医学部, 助教授 (10059488)
河守 次郎 日本大学, 医学部, 助手 (10224867)
|
キーワード | 温熱療法 / サーモシミュレーション / RF誘電加温 / 温度パラメータ / 温度分布 / プロトン密度 / 腫瘍内温度 / 温熱効果 |
研究概要 |
癌の温熱療法における加温中の体内温度をモニターする方法としてサーモシミュレータを導入し、これを用いて体内の温度分布ならびに被加温領域の温度パラメータと温熱治療効果との関係を解析する方法について検討した。本年度は以下の研究を行った。 1.周波数8MHzのRF(radiofrequency)波による誘電加温装置(Thermotron-RF8)にサーモシミュレータを新たに設置した。本装置は、(1)CT,MRIの画像データ取り込み装置、(2)画像処理用CPU及び解析ソフト、(3)これらのシステムを一体化する筐体からなっており、RFを流したときの局所発熱量を人体組織の密度、導電率、電流密度などから求めるものである。この際に、CT及びMRIの画像より組織密度、プロトン密度を求め、これを基に発熱分布、温度分布を算出するが、温度表示に関する空間的ならびに時間的精度については、今後、実験用ファントムおよび生体での温度実測値を参照してさらに解析していきたい。 2.臨床への有用性の有無については、具体例として、放射線治療後の再発肺癌症例に対する温熱併用放射線治療時の加温開始後の生体温度分布推移を本装置によって経時的に追跡した。その結果、温熱併用放射線治療後にみられた肺野領域における肺炎様浸潤病巣の出現に関して、サーモシミュレータによる温度データの解析が役立つことが明らかになった。 3.今回設置したサーモシミュレータ装置はプロトタイプのものであり、温度モニターとしての品質保証(QA)については必ずしも満足のいく状況とはいえない。次年度には、各種画像情報データと加温装置の出力データを基にして算出するサーモシミュレータの温度分布について精度解析を行い、さらに腫瘍内の最高温度(Tmax)、最低温度(Tmin)、平均温度(Tav)、測定点の90%以上が超えている温度(T90)などの温度パラメータと局所効果との関係について、より詳細に解析したい。
|