研究概要 |
可搬型で高効率の核医学診断装置の開発を目的として、フランス・Eurorad社に12チャンネルCdTe放射線検出器配列モジュールを特注して製作した。各チャンネルの構成は、それぞれCdTe結晶+前段増幅器、主増幅器+波形整形器+波高弁別器、計数器とデータ収集・制御コンピュータインターフェイスからなる。また、これとは独立に、コンピュータに8kCHの多重波高分析器を組み込み,主増幅器のアナログ信号出力を波高分析してエネルギースペクトルを測定することが出来る。 今年度は、上記システムの性能を以下の手順で調べた。 1. 個々の増幅器のパルス信号をオシロスコープで観測して波形を調整した。 2. その後、パルス信号を波高分析してエネルギースペクトルから個々の検出器のエネルギー分解能と検出効率を求めた。 3. 増幅率を調整して各検出器要素の性能をそろえた後、波高弁別器のエネルギー幅を指定して、その計数値をコンピュータに取り込んだ。 4. この計数値のデータ収集・解析のためのソフトウェアを開発した。 以上の結果、製作した多重検出器配列モジュールは、本研究の当初の目標を達成している事を確認した。今後は、各種ミニファントムを製作し,それに放射性医薬品を注入して模擬的な核医学診断画像を取得する予定である。
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