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1999 年度 実績報告書

糖尿病性腎症における糸球体過剰濾過の分子生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 11470218
研究種目

基盤研究(B)

研究機関岡山大学

研究代表者

槇野 博史  岡山大学, 医学部, 教授 (50165685)

研究分担者 肥田 和之  岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
和田 淳  岡山大学, 医学部, 助手 (30294408)
四方 賢一  岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (00243452)
キーワード糖尿病性腎症 / 糸球体過剰濾過 / DNAアレイ / CD-1マウス
研究概要

糖尿病性腎症では腎症早期に起こる糸球体過剰濾過がその後の病態の発症と進展に深く関与していると言われている。特に1型糖尿病では、糸球体過剰濾過の時期が存在することは臨床的にも明らかである。その病態の成立には、高血糖、糸球体血行動態の異常、プロスタグランジン、一酸化窒素などの関与が指摘されているが、その分子生物学的機序は不明である。そこで糸球体過剰濾過が存在する糖尿病早期腎症の腎臓でどのような遺伝子の変化がもたらされるかを検討することとした。まず多くの遺伝子の変化を捉えるために、high density DNA array (GenomeSystem社製Gene Discovery Array;GDA)を採用した。GDAフィルター上には、整理され重複をさけた約2万EST(expressed sequence tag)cloneがスポットされている。このGDAフィルターにはヒトとマウスしか入手できないため、遺伝子発現を検討する前にまずマウスの1型糖尿病性腎症の実験動物モデルを作成することとした。マウスやラットではその系統により高血糖や腎臓部分摘出に伴う腎障害の程度が異なることが知られているからである。ストレプトゾトシン(STZ)をCD-1(ICR)マウスに投与し1型糖尿病を誘発した(STZ)。片側腎臓摘出のみを行った群(UX)、片側腎臓摘出とSTZ投与を同時に行った群(STZ-UX)、sham operationを施行した群(CON)の4群を準備し、その組織学的変化を経時的に観察した。12週の組織では腎糸球体にどの群においても糸球体硬化を認めなかった。ところが24週後に観察したところ、STZ及びSTZ-UX群では著明なヒト糖尿病性腎症類似の病変(びまん性病変)を認め、2群に大きな差を認めなかった。UX群では糸球体肥大を認めるものの糸球体硬化はまったく認めなかった。よってCD-1(ICR)マウスでは高血糖という代謝異常に伴い腎障害がもたれされ糖尿病性腎症研究-特に遺伝子発現を検討する上で有用なマウス実験モデルであることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miyatake N. et al.: "Differential distribution of IGF-1 and IGF-BPs in experimental diabetic rat kidney"Nephron. 81. 317-323 (1999)

  • [文献書誌] Sugimoto H. et al.: "Advanced glycatron endproducts-cytokine-nitric oxide sequence pathway : aminoguanidine ameliorates the overexpression of TNFα and iNOS in diabetic rat glorouli"Diabetologia. 42(7). 878-886 (1999)

  • [文献書誌] 槇野 博史: "糖尿病性腎症-発症・進展機序と治療-"診断と治療社. 284 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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