研究課題/領域番号 |
11470220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堺 秀人 東海大学, 医学部, 教授 (80102846)
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研究分担者 |
山内 文夫 東海大学, 医学部, 助手 (40297255)
矢野 直裕 東海大学, 医学部, 助手 (40246103)
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キーワード | IgA腎症 / 糸球体 / 遺伝子 / CDNA array / 腎生検 / メサンギウム細胞 / 硬化 / 尿細管上皮 |
研究概要 |
平成11年度は、カスタムマイクロチップの作製と並行して、標準的プローブラベリング法、およびarrayハイブリダイゼーション法の確立と、基礎データの集積を目的として、市販のナイロン製arrayを用いた遺伝子発現のプロファイリングを行った。プローブ作製用のサンプルとしては、1)ヒト腎組織(正常腎、腎生検標本)、2)培養細胞(ヒト腎メサンジウム細胞、ヒト尿細管上皮細胞)および、3)実験腎炎腎組織を用いた。ヒト腎組織を用いた実験では、9例の正常腎と約20例のlgA腎症腎生検組織を用い、腎症の進行程度に応じて特異的に発現する遺伝子の解析を行った。結果の一部は第32回米国腎臓学会で発表し、正常腎における発現遺伝子プロファイルは論文としてまとめ、現在印刷中である。培養細胞系では、それぞれの細胞を、PMA、PDGF、angiotensin等の因子で刺激し、経時的に変化する遺伝子発現パターンを観察した。特に糸球体硬化のプロセスに重要と思われる、細胞外基質およびその関連制御遺伝子等の発現が、これらの刺激でどのように変化し得るかに注目し、腎障害を誘発する刺激と進行のメカニズムについて検討中である。プリミティブなデータとして、未刺激メサンジウム細胞における遺伝子の発現パターンは、論文としてまとめ現在投稿中である。動物を用いた実験では、ラット50%腎摘モデルを用い、遺伝子発現パターンをsham operation ratと比較し差異を検討した。また腎摘後の、経時的遺伝子発現プロファイルの変化を観察した。特徴的な変動が認められた数種の遺伝子に関しては、ノーザンブロッティング、半定量的RT-PCR法などを用いて結果の再確認を行い、また、in situ hybridizationや免疫組織染色法などで、遺伝子およびその産物の局在を決定し、腎障害における当該遺伝子の機能の解明を試みている。
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