研究課題/領域番号 |
11470221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
大西 鐘壽 香川医科大学, 医学部, 教授 (40080014)
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研究分担者 |
今井 正 香川医科大学, 医学部, 助手 (60176477)
磯部 健一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00159815)
伊藤 進 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145052)
日下 隆 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274288)
近藤 昌敏 香川医科大学, 医学部, 助手 (60234952)
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キーワード | 遅発性脳内エネルギー代謝不全 / 新生仔豚 / 新生児仮死 / 低酸素性虚血性脳症 / 31P-MRS / 興奮性アミノ酸 / グルタミン酸 / γ-アミノ酸 |
研究概要 |
目的:我々は新生仔豚を用い、遅発性脳内エネルギー代謝不全をもたらす新生児仮死モデルを作成した。今回は、仮死負荷後24時間まで^<31>P-MRSにより脳内エネルギー代謝状態を継続的に測定し、同時に脳内微小透析法を用いて、神経伝達物質であるグルタミン酸(Glu)、γ-アミノ酪酸(GABA)を測定し、検討を行ったので報告する。 対象と方法:対象は生後24時間以内の新生仔豚5頭。人工呼吸管理を行い、仮死負荷として頚部を圧迫(300mmHg)し、吸入酸素濃度を低下させ、トラゾリンを用いて血圧上昇を防止した。PCrのpeakが消失した20分後に蘇生行った。脳内エネルギー代謝状態は^<31>P-MRS(大塚電子社製、BEM250/80、2.0Tesla)で頭頂部より測定した。頭頂部の2個所に直径約3mmの穴を開け、線条体及び大脳皮質に脳内微小透析プローベを挿入し、2μl/分の速度で還流した。サンプルは、2時間以上の安定化の後、負荷後3時間までは30分ごとに採取し、その後は1時間ごとに採取し、高速液体クロマトグラフィーでGlu及びGABAを測定した。 結果と考案:負荷によりPCr/Piは減少し、蘇生により前値付近にまで回復した。しかし12-15時間後には再び減少し、遅発性脳内エネルギー代謝不全がもたらされた。Gluは両部位とも負荷開始後増加し、蘇生より前値レベルにまで減少した。その後、蘇生15時間後頃より再び増加が見られた。GABAは両部位とも負荷により一過性に増加した例とその後再上昇した例が見られた。これらの結果より遅発性脳内エネルギー代謝不全の発生には興奮性アミノ酸の増加による神経毒性が関係していると考えられた。今後、その他の生理活性物質や、低体温療法時での検討を進める予定である。
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