研究課題/領域番号 |
11470223
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
荒川 浩 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90271238)
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研究分担者 |
板倉 敬乃 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70223071)
高崎 二郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30197082)
清水 浩 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90260843)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 慢性肺疾患 / 肺サーファクタント / サーファクタント・サブタイプ / 高頻度振動換気 / 先天性肺胞蛋白症 / 肺サーファクタント蛋白質B / サイトカイン / 自己抗体 |
研究概要 |
新生児救命例の中で慢性肺疾患を発症する率は高く、出生体重1500g未満の極低出生体重児にあっては、約20%が罹患すると報告されている。今回、新生児慢性肺疾患(CLD)の病態を理解し、その予防と治療の戦略を開発する目的で以下の検討を行った。 (1)幼若ウサギの肺サーファクタント欠乏モデルを作成し、従来型の高容量高圧換気(換気回数40回/分)と高頻度振動換気(15Hz)とで、肺サーファクタントの活性型から不活性型への転換を比較検討した。人工換気4時間後に気管支肺胞洗浄を行って、large surfactant aggregates(LA)とsmall surfactant aggregates(SA)を超遠心にて分離した。その結果、HFOV群でLAからSAへの変換が有意に抑制されることが示された。 (2)慢性肺疾患VI型に分類される先天性肺胞蛋白症(CAP)の国内における患者発生状況を前方視的に調査し、1998年〜2002年に日本国内においてCAP2例と肺サーファクタント蛋白質B(SP-B)の部分欠損疑い1例の発生を確認した。いずれも121ins2を有する典型例ではなく、肺内においてalternatively spliced SP-B mRNAの含有量の増加が認められた。 (3)慢性肺疾患の発生過程の気道吸引液中の抗サイトカイン(IL-8)自己抗体の測定系を開発し、CLDIII型において生後早期からIgM型自己抗体が高値であることを証明した。 結論:主として肺サーファクタント、化学伝達物質の観点からCLDの病態を検討した。肺サーファクタントの機能的欠如に対する治療法の確立は、新生児の後遺症なき救命の向上に貢献すると考えられた。
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