研究課題/領域番号 |
11470228
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
原田 信広 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00189705)
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研究分担者 |
諸橋 憲一郎 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30183114)
佐々木 恵美 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20178635)
本田 伸一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40257639)
笹野 公伸 東北大学, 医学部, 教授 (50187142)
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キーワード | アロマターゼ / エストロゲン / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 骨粗鬆症 / 組織特異的転写因子 |
研究概要 |
本年度は、まず発生工学的手法を用いてエストロゲン産生能力を完全に消失したアロマターゼノックアウト(ArKO)マウスを繁殖させ、骨粗鬆症、動脈硬化症、アルツハイマー型痴呆症などの加齢関連疾患のモデル実験動物として、骨、血管、脳における組織病理学的解析を行った。ArKOマウスにおいては骨密度及び骨梁の有意な低下、骨端軟骨細胞の増殖、皮下脂肪及び内臓脂肪の増殖、脂肪肝を誘発する脂質代謝異常、また脳では物理的及び神経毒による神経損傷に対する感受性の低下などが明らかになった。現在、さらにArKOマウスに対する高コレステロール食の血管組織及び血清リポたんぱく質への影響を調べている。 次にこうした加齢関連疾患における性腺外組織におけるアロマターゼ発現の低下や亢進が何に起因して起こっているのかを明らかにするために、加齢に伴ってアロマターゼ遺伝子の発現異常を誘引する原因ともなる細胞特異的選択因子・調節因子についても現在、酵母のOne-hybrid系を使用して単離を進めている。また脳におけるアロマターゼ遺伝子の転写制御機構を調べるために、種々の長さのアロマターゼ遺伝子脳特異的転写調節領域をガラクトシダーゼ遺伝子の上流に繋いだトランスジェニックベクターを構築し、発生工学的手法によりこれらを導入したトランスジェニックマウスを作製し、アロマターゼの正確な組織特異的及び発達段階特異的転写調節に必要な転写調節領域を同定している。現在までに脳特異的発現制御領域の同定に成功しており、今後、発達段階特異的発現の転写制御領域の同定を進める予定である。
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