研究概要 |
本研究の目的は正常ヒト血管、臨床摘出代用血管および幼年動物実験モデルを用い、中膜へのAGE沈着、中腹弾性線維層の構造変化、特にそのglycationによる変性により中膜平滑筋細胞がアポトーシスへと向う一連の変性過程を解析し、動脈硬化発生機序におけるAGEの関与とその対策を明かにすることであり、科学研究費交付期間内に、1)正常ヒトおよび動物血管、静脈グラフトおよび動脈グラフト中膜弾性線維層へのAGE沈着の有無、程度の定量的解析、2)中膜平滑筋細胞アポトーシスおよびアポトーシスシグナルの解明、3)中膜弾性線維層の量的変化と中膜平滑筋変性の関連性の解明、を行う予定である。 平成13年度の研究成果は以下のとおりである。熊本大学堀内正公教授より供与された、3種類の抗AGE抗体 : 6D12(抗CML抗体), CMS-10(抗CML抗体), H-12(抗Pyrraline抗体)を1次抗体として用い、SAB法で免疫組織染色を行った0歳児および4歳児の内胸動脈では6D12, CMS-10, H-12いずれでも染色されなかった。成人内胸動脈では6D12, CMS-10, H-12のいずれでも染色陽性であったが、年齢との相関は認めなかった。
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