研究分担者 |
中西 加寿也 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272326)
志賀 英敏 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20282478)
織田 成人 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90204205)
仲村 将高 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30315436)
松田 兼一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282480)
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研究概要 |
hypercytokinemiaの状態,いわゆる全身性炎症反応症候群SIRSに陥っている症例は多臓器不全に至る可能性が高い.一方,apoptosis(PMN)は,SIRSの状態下では活性化されると同時にapoptosisが抑制される.侵襲下におけるPMNのapoptosisの過剰な抑制は,ときに自身の組織を障害し,臓器不全を引き起こす可能性がある. 持続的血液濾過透析CHDFは,サイトカインモジュレーターとして有効であるが,さらに血中のサイトカインを制御することで,PMNのapoptosisに関して制御可能かどうかについて検討した. (1)平成13年4月から平成14年2月までにICUに入室した患者のうち,急性臓器不全に陥っている全症例に対して経日的にヒト末梢血中のIL-6の値を測定した.その上でIL-6の値が高い症例を中心に約30例を対象とした. (2)末梢血PMNのapoptosisの遅延に関して,6時間培養後,24時間培養後のいずれにおいてもICU入室患者においては,健常人に比して有意にapoptosisの抑制が認められた.しかしながら,採血分離直後においては,ICU入室患者と健常人との間に有意差は認められなかった. (3)さらに末梢血PMNのapoptosisの遅延に関して,apoptosis誘導剤である抗Fas抗体,ActinomycinDを添加し培養した場合においても,6時間培養後,24時間培養後のいずれにおいてもICU入室患者においては,健常人に比して有意にapoptosisの抑制が認められた. (4)CHDF施行症例に関して,CHDF施行によるIL-6血中濃度の低下と末梢血中PMNのapoptosis遅延の改善に相関が認められた. (5)また,CHDF施行により各種サイトカイン濃度がモジュレートされた血清,血漿によって,PMNのapoptosisがどのようの影響を受けるかについての検討を行った.
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