研究課題/領域番号 |
11470241
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
津野 ネルソン 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282637)
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研究分担者 |
鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所・分子生物活性研究分野, 教授 (00012667)
北山 丈二 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251308)
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80228064)
柴田 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010474)
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キーワード | 癌 / 治療 / 血管内皮細胞 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
我々は腫瘍血管内皮細胞をターゲットとした癌治療法の開発を目的として腫瘍血管内皮細胞特異抗原について研究を進めてきた。 まずヒト臍帯静脈より内皮細胞の分離・培養を行い、数多くの内皮細胞を凍結・保存した。このヒト臍帯静脈内皮細胞を血管新生誘導因子(VEGF,FGF)による刺激環境下に培養し、これをマウスに免疫してリンパ球を採取し、マウスリンパ球と骨髄腫細胞との融合により約500のHybridomaを作製した。得られたHybridomaの培養上清について、血小板での方法と同様にヒト臍帯静脈内皮細胞を固相化したU底96穴プレートを用いてMixed-passive hemagglutination(MPHA)法に準じスクリーニングを行った。 その結果、数10種類のヒト臍帯静脈内皮細胞に対する抗体を産生するHybridomaが選択された。さらにこれらの抗体について大腸癌凍結切片免疫染色によるスクリーニングを行い、大腸癌の腫瘍血管内皮細胞に特異的なモノクローナル抗体が数種類得られた。Flow cytometryによりヒト臍帯静脈内皮細胞,血管新生因子で刺激したヒト臍帯静脈内皮細胞、血小板、顆粒球、単球およびリンパ球についてそれぞれの抗体に対する抗原の発現を解析したところ、いずれの抗体もヒト臍帯静脈内皮細胞と血管新生因子で刺激したヒト臍帯静脈内皮細胞には強く発現していたが、血小板など他の血球には発現を認めなかった。 現在、Hybridomaをマウスに腹腔内投与して腹水を採取し、担癌マウス(colon26接種)に投与して動物実験モデルにおける抗体の腫瘍抑制効果について検討している。また同時に、作製したモノクローナル抗体が認識する腫瘍血管内皮細胞特異抗原を検出するため免疫沈降法等を用いて解析を進めている。
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