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1999 年度 実績報告書

血管内皮細胞を標的とした異種移植における拒絶反応制圧の分子論的戦略

研究課題

研究課題/領域番号 11470243
研究種目

基盤研究(B)

研究機関名古屋大学

研究代表者

横山 逸男  名古屋大学, 医学部, 講師 (60240206)

研究分担者 波井 康  名古屋大学, 医学部, 医員
林 衆治  名古屋大学, 医学部, 助手 (30218573)
キーワードFas / Bax / bcl-2 / Caspase / Fasリガンド / アデノウィルス / リポゾーム / エンドベータガラクトシダーゼ
研究概要

discordan異種多植に伴う血管内皮細胞の細胞死のメカニズムを、細胞表面レセプター、カスパーゼ系の酵素反応とシグナル伝達、活性酸素そしてアポトーシス誘導因子(Bax、p53、Fas)および抑制因子(bcl-2、SOD:super oxide dismutase、Caspase inhibitor)につき詳細な検討を行った。Bcl-2に関しては、その発現程度によってアポトーシス誘導の程度と関連が認められた。そこでin vitroにおいて、bcl-2遺伝子の導入を試みたところ、アデノウィルスおよびリポゾームで高率に発現誘導することが確認された。このことから、in vivoでの実験への発展が可能であると考えられた。ブタなど家畜動物からの異種移植、いわゆるdiscordant異種移植における最大の障壁は超急性拒絶反応であり、異種動物の細胞表面にあるガラクトース(α1-3Gal)を主とした糖鎖抗原とヒト血液中に既存する自然抗体との反応によって引き起こされる免疫反応およびそれに伴う種々の病態変化である。そこで、異種臓器に発現している糖鎖抗原をその発現酵素を制御して抑制する手段が試みられているが、特に大動物では困難であることが示されている。我々は独自の方法として、ガラクトースを消化する酵素の存在に着目し、エンドベータガラクトシダーゼの遺伝子解析を行った。現時点ではこの遺伝子をウィルス等のベクターを用いて、異種臓器に発現すべく遺伝子操作の基礎実験を行っている段階である。In vitroでの初期実験の結果ではこの酵素の有用性が示唆されている。
Fasレセプターの遺伝子クローニングから、その活性抑制基―ペプチドのクローンを複数合成した。そのうち、既存のモノクローナル抗体よりも活性の強い、10のアミノ酸からなるFasリガンドについても既に活性決定基を確認しており、このことは同様にFasリガンドの活性決定基―ペプチドの効果について研究した。それによればある種のペプチドでは細胞死に直接関係しないものもあることがわかり、細胞死抑制の手段として利用しうることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kojima T, Del Carpio C A, Tajiri H, Yoshikawa, Saga S, Yokoyama I: "Inhibition of complement-medited immune hemolysis by peptides derived from constant domain of immunoglobulin"Brief Communications. 637-638 (1999)

  • [文献書誌] Hayashi S, Yokoyama I, Namii Y, Emi N, Uchida K, Takagi H.: "Inhibition of hepatic metastasis in murine colon cancer transfected with tissue plasminogen activator gene."Cancer Gene Therapy. 6・4. 380-384 (1999)

  • [文献書誌] Hayakawa A, Yokoyama I, Tajiri H, Okamoto T, Nakashima I: "Protein Kinase C-dependent anti-apoptotic mechanism that is associated with high sensitivity to anti-Fas antibody in ovarian cancer cell lines"Cancer Letters. 140. 113-119 (1999)

  • [文献書誌] Yokoyama I, Negita M, Hayakawa A, Hayashi S, Kobayashi T, Namii Y, Nagasaka T, Takagi H: "Cytosolic calcium dynamics and free radical-induced apoptosis of the endothelial cells."Transplantation Proceedings. 31. 808-809 (1999)

  • [文献書誌] Morozumi K, Kobayashi T, Usami T, Oikawa T Matsuda H, Yokoyama I, Takagi H: "Significance of histochemical expression of Hanganutzi-Deicher antigen in pig, baboon and human tissues."Transplantation Proceedings. 31・1/2. 942-944 (1999)

  • [文献書誌] Hayashi S, Namii Y, Mei G-L, Liu D-K, Yokoyama I, Hamada H, Takagi H.: "Effect of adenovirus-mediated gene transfer with CTLA4Ig gene in organ transplantation."Transplantation Proceedings. 31. 1944-1945 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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