研究課題/領域番号 |
11470245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 熊本大学 (2000) 京都大学 (1999) |
研究代表者 |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 医学部・附属病院, 教授 (50193628)
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研究分担者 |
田中 紘一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20115877)
山本 裕俊 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60264298)
池田 信二 熊本大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90202887)
古川 俊治 慶応義塾大学, 外科, 助手 (60219102)
島津 元秀 慶応義塾大学, 外科, 講師 (70124948)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 肝臓移植 / 長期経過 / フォローアップ / テレビ会議システム / 遠隔地医療 / 予防接種 / 免疫抑制 |
研究概要 |
肝移植後、長期にわたる患者管理のハードとソフトの両面を整備していくことを目的として研究を開始した。1年目は装置の設置にともなう基礎的な方法の確立をめざし、二年目はより実践的なシステム運用をおこなった。(1)患者の血液や肝生検組織を、承諾を得た上で、申請により購入した冷凍庫に保存し、長期経過時のフォローの対照とする基礎づくりを開始した、(2)申請し購入したテレビ会議システムを稼働させ、有効性の検証を開始した。慶応大学外科医師に共同研究者として参加していただき、異施設間移送ドミノ肝移植実際の手術手技支援をおこなった。また、スペインの施設との手術映像の交換も行い、医師教育上の有用性と、海外での患者管理も可能と考えられた。手術という、微細を極める動画さえも鮮明にやりとりすることができることが検証された。診察所見、肝生検組織像、レントゲン画像などにおいても、相互の観察とリアルタイムの討議が可能であり、患者の負担を軽減して高レベルのフォロー体制の基礎となると期待される。(3)移植後患者追跡データにつき、患者ファイルの整備、紹介先病院から送付される検査データのコンピューター入力を継続し、容易に参照できる体制を整えた。熊本大学で経過観察中の生体肝移植患者の長期経過も明らかとなり、すでに完全に免疫抑制剤を中止している児童や、移植後8年経過し、二児の父となった国内初例を確認し報告した。このような良好な長期経過の確認が、学校や社会への患者受け入れ向上を促進することが期待される。(4)予防接種を含めた術後経過管理に関して患者に配布するパンフレットの原案を作成する段階まで到達し、細部の修正の上実際に使用する予定となった。 本研究は、このように肝移植後患者術後長期管理の基盤整備に重要な成果をもたらしたが、今後、これを実際に活用して、一層の患者支援の充実を図る方針である。
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