1.ヒト末梢血からリンパ球濾過後比重遠心法でDCを分離し、平均1×10^7個の樹状細胞を得た。また末梢血50ml中の単核球からGM-CSF(キリンビール株式会社)とIL-4(小野薬品工業)にて1週間培養して平均5×10^6個の樹状細胞を誘導した。末梢血リンパ球をIL-1、IL-2、IL-4、IL-6を含むサイトカインカクテルで1週間培養し、Tリンパ球を誘導した。株化胃癌細胞のtumor lysateをパルスした樹状細胞をTリンパ球と混合培養し、腫瘍細胞特異的な細胞障害性Tリンパ球の誘導を確認した。 2.株化胃癌細胞からADPアフィニティカラムを用いてhsp70を精製し、ConAセファロースカラムを用いてhsp90とgp96を精製した。また外科切除した胃癌組織のパラフィン包埋切片から癌細胞をmicrodissectionにて切り出してRNAを抽出し、hspのcDNAをコードするプライマーを用いてRT-PCRで増幅し、腫瘍由来のhspを精製した。 3.細胞融合遺伝子導入装置を用いて株化胃癌細胞とDCを細胞融合させた。交流高周波の作用により細胞をパールチェーン状にし、その後直流パルスの通電によって細胞膜にporeを開いて細胞を融合させた。顕微鏡観察下で交流から直流パルスに切り替え、細胞の融合効率を10%弱にまで引き上げた。 4.現在、hspをパルスした樹状細胞とTリンパ球の混合培養、細胞融合DCとTリンパ球の混合培養によって誘導される細胞障害性Tリンパ球の機能解析に向けて準備中である。
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