研究課題/領域番号 |
11470247
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
辻谷 俊一 鳥取大学, 医学部, 助教授 (30188544)
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研究分担者 |
近藤 亮 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (90304211)
五明 良仁 鳥取大学, 医学部, 助手 (20314578)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 癌 / 樹状細胞 / 電気的細胞融合 / RCAS1 / 免疫回避 |
研究概要 |
癌細胞は宿主の免疫監視機構から逃れるために巧妙に対応している。Tリンパ球は腫瘍抗原を認識する能力が乏しく、腫瘍抗原の認識には樹状細胞(DC)に代表される抗原提示細胞(APC)と腫瘍細胞の接触が必要である。抗原を認識したAPCは活性化されて遊走因子により多数のAPCを集め、また腫瘍特異的細胞障害性Tリンパ球(CTL)を誘導する。しかし癌細胞には抗原提示に必要な主要組織適合抗原遺伝子複合体(MHC)の発現異常や癌特異抗原、接着因子、共同刺激因子などの低発現が認められ、APCによる腫瘍抗原の認識は容易でない。また腫瘍細胞はvascular endothelial growth factor(VEGF)を産生してDCの成熟を障害したり、CTLをはじめとするエフェクター細胞の機能を障害して、免疫系による補足から逃れている。 免疫機構が癌に対して有効でない基本的原因は癌抗原の認識障害であり、最も有力な抗原提示細胞であるDCを利用した治療法が期待される。近年末梢血単核球からのDCの分離や骨髄幹細胞からのDCの誘導が可能になり、DCの機能的解析や治療への応用が行われている。そこで今後は癌細胞の免疫回避機構を排除してDCの機能を十分に発揮し、多様な癌抗原のそれぞれに特異的なCTLを誘導できる抗原提示システムを構築する必要がある。 今回の研究は、腫瘍細胞融合DCおよび熱ショック蛋白(hsp)パルスDCを作製し、腫瘍抗原特異的なCTLの効率的な誘導をはかり、癌の免疫回避機構を排除することにより、DCとエフェクター細胞の機能を亢進させ、腫瘍特異的な抗腫瘍効果を増加させることであった。 その結果、腫瘍細胞融合DCはCTL活性を有するエフェクター細胞を誘導し、高い抗腫瘍活性を示した。hspパルスDCの機能解析を行うべく、準備中である。
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