研究課題/領域番号 |
11470253
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大河内 信弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40213673)
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研究分担者 |
織井 崇 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282048)
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90188839)
藤盛 啓成 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50238622)
黒川 良望 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80215087)
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キーワード | 心停止ドナー / 肝移植 / Kupffer細胞 / 再灌流障害 |
研究概要 |
今年度はラットを用いた実験を行い以下に述べる結果を得た。1、死戦期を伴うラット心停止モデルの作成;我々は、開胸することにより呼吸停止とし心臓停止を導く方法で心臓死モデルを作成した(以下死戦期モデルとする)。従来型では140分温疎血でもラット肝移植の成功の報告もあり、我々の経験とは全く異なる。死戦期モデルでは、全身ヘパリン化にもかかわらず、開胸後1時間程度の温疎血で門脈からのwash outも不良となる。従来型モデルと死戦期モデルでの違いを特に肝血流の変化、血液生化学検査(肝機能、血液ガス分析、サイトカイン、アラキドン酸代謝産物)、組織学的検査の面から検討した。2、死戦期を経た肝臓を冷保存・再潅流した際の分子レベルの変化の検討;無処置群とKupffer細胞消去群において、実験(1)で作成した死戦期モデルを用いて、I)NF-kappaBの活性変化、II)NF-kappaBにより誘導されるサイトカイン(IL-1,IL-2,IL-6,)、 III)免疫応答や炎症反応の際活性化されるアラキドン酸代謝のkey enzyme であるホスホリパーゼA2活性変化ならびにその代謝産物を検討し、総合的に阻血再潅流障害の発生機序を分子レベルでの解明することを試みた。その結果死戦期を伴うラット心停止モデルではKupffer細胞をあらかじめ消去しておくと保存再灌流後のNF-kappaBの活性、炎症性サイトカインの分泌、アラキドン酸代謝系の活性化が抑制されることを明らかにした。
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