研究課題/領域番号 |
11470257
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
松本 由朗 山梨医科大学, 医学部, 教授 (20159156)
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研究分担者 |
茂垣 雅俊 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00230037)
板倉 淳 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10252032)
藤井 秀樹 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (30181316)
池田 靖洋 福岡大学, 医学部, 教授 (40038758)
須田 耕一 順天堂大学, 医学部, 教授 (80090596)
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キーワード | 先天性胆道拡張症 / 膵・胆管合流異常 / 形成異常の本態 / 形成異常の診断基準 / 胆道癌 / 胆石膵炎 / 胆管(肝内)結石症 / 肝内胆管癌 |
研究概要 |
先天性の胆管と膵管の形成異常が、小児期には発症しなかった症例が、成人になって胆管結石症、肝内結石症、急性膵炎および胆道癌など消化器病として重要な疾患の背景病態となっていることが認識され始めて来たが、その形成異常の本態、臨床症状発症の機序および発癌への関与の機序などは全く明らかにされていない。申請者らはこの形成異常に対する基礎的研究から、その臨床症状発現機序ならびに発癌機序を明らかにし、東洋人の女性に多いと言う事実から、その高危険群を設定し、これら消化器病の予防法の開発を目指すものである。 今年度は、先天性胆道拡張症(拡張症)と膵・胆管合流異常(合流異常)の2つの形成異常の診断基準の確立とその発生学的な成り立ちの解明を過去の臨床例の集積から行った。その結果、合流異常の本態は胎生3〜4週の極く早期に、原始総胆管と腹側膵の癒合時に生じた形成異常であり、その診断方法は、直接的胆道造影法で十二指腸壁内側から、フィルム上5mm外側で、胆管末端と腹側膵管の合流点が確認されることである。拡張症は胆管内腔の形成が始まる胎生6週から、内腔形成が肝門部に及びさらに肝内胆管が肝細胞から形成されるまでの胎生10週の間に生じた形成異常で、胆管の限局性拡張ならびに胆嚢管の限局性拡張を伴うことが診断確定の根拠となることを明らかにした。
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