研究課題/領域番号 |
11470258
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江川 裕人 京都大学, 医学研究科, 講師 (40293865)
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研究分担者 |
上本 伸二 三重大学, 医学部, 教授 (40252449)
猪股 裕紀洋 熊本大学, 医学部, 教授 (50193628)
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
木内 哲也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40303820)
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キーワード | 生体肝移植 / 免疫寛容 / リンパ球混合試験 / 非特異的免疫寛容 |
研究概要 |
12年度は、免疫寛容状態にある患者リンパ球においてドナー特異的低反応がみられること、さらにその血清に非特異的免疫抑制効果があることが示唆された。近年、自治医大の小林らは輸血後免疫抑制状態に着眼しラット輸血モデルを用いて免疫抑制物質の同定・精製(MAY-1)に成功した。これはラットではαmacroglobulin(αMG)であることから、ヒトαMGのヒトリンパ球混合培養試験における影響を検討したところ抑制効果を認めた。そこで、αMGの構造に焦点を絞り、小林らの全面的協力を得て肝移植後寛容状態患者から得られる免疫抑制物質の同定を行っている。一方、今年度末までに京都大学での移植症例は800例を越えた。残念ながら免疫抑制減量の目安となる明らかなパラメーターは確立できないが、2年以上肝機能が安定し拒絶反応がないこと・減量後3カ月以上拒絶反応がないこと等の従来の臨床経過に基づく判断で着実・安全に計画的減量・中止を行っている。その結果、感染等の理由で中止された非計画的中止例28例のほかに、計画的に減量し得た例では、週3日19例、週2日4例、週1日12例、2週1日8例、4週1日3例、計画的中止19例となった。今までは免疫抑制効果を起こす液性因子に着目してきたが、今後、細胞因子として、英国オックスフォード大学のWoodらがラット移植モデルで明らかにした免疫抑制効果を持つreguratory Tcellの存在・役割を当科の症例において検討する予定である。
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