1.chA7-ME2906複合体による内視鏡下光力学的診断および治療法の検討:chA7-ME2906複合体投与後に、内視鏡下に半導体レーザーを照射し早期胃癌や大腸癌の範囲の判定が可能か検討するために、まず動物(マウス)を用いて安全性を確認した。マウスに複合体を投与した後、経時的にマウスを犠牲死させ、胃および人腸にレーザー照射したところ、極めて低い輝度ではあるが蛍光が観察されたが、肝肺などの正常組織と変わりなかった。臨床例の切除標本における癌の局在部位や、浸潤範囲と内視鏡所見とを比較検討するために、臨床試験として申請準備中である。なお、複合体の投与により死亡したマウスはなかった。 2.複合体の安定性の検討:常温および凍結ト長期保存における複合体の安定性について検討したところ、少なくとも3ヵ月問は凍結保存により、複合体の活性は保持されていることが明らかになった。さらに長期間に亘っての安定性を確認するため、試料を凍結保存している。
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