研究課題
基盤研究(B)
試作乳清ペプチドの消化性潰瘍に対する治療効果の検討。目的:小腸や大腸の消化性潰瘍は再燃緩解を繰り返す難治性の慢性疾患で外科的治療の判断に苦しむ。一般には中心静脈栄養や経腸栄養療法が施行される。経腸栄養では成分栄養剤によりその治療効果に差を認める。我々は乳清ペプチドが消化性潰瘍に適応であるか否かをインドメタシン投与実験的小腸潰瘍モデルラットを用いて検討した。実験方法:SD系雄性ラットに対してエーテル痲酔下にインドメタシン24mg/kgを経肛門的に投与した。予備飼育後エーテル痲酔下に胃管を留置し、ハーネス固定した。輸液ポンプに接続し6日間各種成分栄養剤投与を開始した。最初の24時間は135ml/kg/dayその後270ml/kg/dayとした。実験群は乳清ペプチド、アミノ酸栄養剤及びタンパク質栄養剤の3群とした。実験結果:SASを用いてTukey多重比較検定を行った。小腸潰瘍数は乳清ペプチドがもっとも少なくタンパク質栄養剤が有意に高値を示した。大腸潰瘍数は3群に有意差を認めなかったが乳清ペプチドがもっとも潰瘍数は少なかった。盲腸潰瘍数は乳清ペプチドが他の2群栄養剤より有意に低値であった。結論:乳清ペプチドは消化性潰瘍の経腸栄養として有用である。