研究課題/領域番号 |
11470266
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90199373)
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研究分担者 |
竹内 雅春 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00258162)
中井 謙之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50198024)
岡本 英三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50068425)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
植木 孝浩 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10309461)
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キーワード | 肝硬変 / 遺伝子治療 / HGF / naked DNA |
研究概要 |
肝硬変患者に対するHGF遺伝子治療臨床研究を目的として、プラズミドそのもの(naked DNA)を生体に導入する方法を中心に研究を進めた。現在までのセンダイウイルスの膜融合能を利用したHVJ-liposomeによる遺伝子導入方法と比較すると、導入効率は約10%に低下するが、いかなるウイルス成分も、リピッド成分も含まず、より安全性が高く、より現実的な方法であると考える。DMNによる薬剤性ラット肝硬変モデルを作製し、肝動脈よりヒトHGFのnaked DNAを直接に肝臓に注入した。ラット肝臓におけるヒトHGF蛋白の発現は良好であり、200μg naked DNA注入群では遺伝子導入後2週目に最大値(0.11ng/100mg protein)を示した。発現は一過性で、4週目にはほぼ遺伝子発現は消失した。病理組織学的検討ではヒトHGF遺伝子導入群では形成された繊維組織の著明な改善が認められ、コンピューター画像解析装置で定量化するとコントロール群に比べ72%(平均)の繊維減少を認めた。つぎに大型動物(ビーグル犬)を用いて同様に肝硬変モデルを作製、肝動脈にカテーテルを留置、皮下のリザーバーより反復的に10mgのヒトHGFのnaked DNAを直接に肝臓に注入した。イヌでも同様に組織学的に著明な肝硬変の改善が認められた。現在、実験動物数を増やして追試中である。また、遺伝子導入後の長期観察を行い、悪性腫瘍の発生の有無を検討中であるが、現時点では認めていない。イヌにおいてもラットにおいてもnaked DNAを直接に肝臓に注入したことにより肝機能障害はおきておらず、また組織学的にも障害は認めない。
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