研究課題/領域番号 |
11470268
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小塚 裕 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10126055)
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研究分担者 |
池田 博之 宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主席研究員
小野 稔 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40270871)
窪田 博 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00262006)
桑原 邦生 宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主任研究員
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キーワード | 大動脈瘤 / ステントグラフト / ステントグラフト内挿術 / 血管内手術 / 超薄型人工血管 / 高吸水性ポリマー / 自己膨潤型人工血管 / エンドリーク |
研究概要 |
1)超薄型人工血管の作製 末梢血管アプローチによる血管内手術(ステントグラフト)を可能にするため超薄型人工血管の開発および研究を行った.(1)壁厚40〜117μmの超薄型人工血管を開発した。壁厚50μm以下のものでは目ズレが生じ、人工血管の均一性が保てなかったが、壁厚65μm以上の超薄型人工血管はその物理的性質上、臨床応用に十分耐えうるものと考えられた。(2)動物実験においても超薄型人工血管を用いたステントグラフトの有効性が示された. 2)自己膨潤型人工血管の作成 従来の超薄型人工血管の物理的性質の検討から厚さ100μmの超薄型人工血管が自己膨潤型人工血管に適していることが判明したため,壁厚100μmの超薄型人工血管と2種類の超吸水性ポリマー(SAP-AとSAP-C)を用いて3層構造の人工血管を作成した. 3)吸水による自己膨潤型人工血管の壁厚の変化の検討 自己膨潤型人工血管の生理食塩水吸収による壁厚の変化を検討した(n=5).SAPグラフトの壁厚は吸水前の0.68±0.04mmから吸水後は2.76±0.32mmに有意に増加した 4)endoleakテスト 2種類の超吸水性ポリマー(SAP-AとSAP-C)を用いた自己膨潤型人工血管と直径20mmのZ-ステントを用いてステントグラフトを作成した.動脈瘤モデルを作成し,ステント・グラフトを内挿してリークテストを行った.SAP-Aのステントグラフトではコントロールのものよりもどの測定時点においてもリーク量が有意に(p<0.01)少なく,SAP-CのステントグラフトではSAP-Aのものよりもどの測定時点においても有意に(p<0.001)リーク量が少なかった. 5)遠隔成績 実験犬が早期死亡したため,遠隔期成績は検討できなかった.
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