研究課題/領域番号 |
11470270
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
和田 洋巳 京都大学, 医学研究科, 教授 (90167205)
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研究分担者 |
中村 肇 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70303914)
豊國 伸哉 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252460)
近藤 裕郷 日本オルガノン株式会社, 医薬研究所, 化学研究室長
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キーワード | 虚血再潅流傷害 / セレクチンブロッカー / 活性酸素 / DNA傷害 / 8-OHdG / MPO / 肺移植 |
研究概要 |
これまでのラットex vivo実験により、selectin blocker(KB-R9188改めOJ-R9188)が肺温虚血再潅流傷害を軽減することが明らかになったが、本年度はその作用機序を明らかにすべく、検討を行った。 1、Myeloperoxidase(MPO)活性の測定 ラットex vivo実験から得られた再潅流後肺の一部を用い、白血球組織浸潤の指標となるMPO活性を測定した。しかしその結果は、selectin blocker投与群、非投与群間に有意差を認めなかった。 2、抗酸化作用機序の検討 (1)直接的抗酸化作用 Electron Spin Resonance(ESR)法を用い、OJ-R9188がhydroxyl radicalやsuperoxideに対するradical scavengerとして作用するか否かを検討した。実際には、種々の濃度のOJ-R9188にspin trapping試薬を添加し、ESR spectrometerで抗酸化作用を測定した。 その結果、OJ-R9188に直接的抗酸化作用は認められなかった。 (2)一酸化窒素(NO)を介した抗酸化作用 ラットex vivo実験から得られた再潅流後肺の一部を摘出し、ピクリン酸で固定後スライド標本を作製した。ABC法に準じて3-nitro-L-tyrosine(3-NT)に対するポリクロナル抗体を用い、免疫染色を行い、評価した。その結果、selectin blocker投与群では非投与群に比し、NOを介した酸化傷害を軽減することが示された。
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