研究課題/領域番号 |
11470272
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大竹 重彰 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50243209)
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研究分担者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00243220)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30263247)
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
榊田 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90311753)
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キーワード | 異種心臓移植 / 霊長類 / ヒヒ / ブタ / 超急性拒絶反応 / 抗体除去 / 免疫抑制療法 / apoptosis |
研究概要 |
心臓移植は欧米においては末期的心不全患者に対する外科的治療手段として確立し、定着している。しかし、国際心臓・肺移植学会の年次統計によるとドナー不足は欧米でも深刻であり、この問題の一解決法として今世界が着目している課題が異種心移植である。ドナー動物としていろいろな動物を想定できるが、様々な研究から現時点ではヒトのドナーとして臨床応用可能な動物としては、ブタが最適であると考えられている。本研究では、ヒトのかわりにヒヒを用いた実験系で、ブタからの心臓移植時の拒絶反応を如何に予防し、治療するかを検討し、臨床応用を可能にする方法論の確立を目的とする。本研究では、ブタの心臓を用いて、ブタからヒヒへの異所性異種心臓移植における超急性拒絶反応を予防できるか否かを検討した。ドナーとなるブタの心臓を移植する前に、レシピエントと同程度のブタの心臓を用いてヒヒの血液を潅流した。前潅流を行わないとブタの心臓は1時間以内に超急性的に拒絶された。しかし、レシピエントと同体重のブタの心臓を3個を用いて、前潅流すると超急性拒絶反応は発生せず、移植心は数日間拍動していた。移植後FK506 15mg/Kg/day、CAM30mg/Kg/dayを投与したが、移植心はすべて拒絶された。組織学的には血管病変を主体とするdelayed xenograft rejectionの像を呈していた。拒絶心切片をtunnel染色すると、血管内皮細胞にtunnel陽性細胞が認められ、delayed xenograft rejectionにアポトーシスが関与している可能性が示唆された。 今後ともdelayed xenograft rejectionを抑制できるような免疫抑制療法を検討する方針である。
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