研究課題/領域番号 |
11470285
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
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研究分担者 |
桑野 良三 新潟大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20111734)
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
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キーワード | 脳リンパ腫 / 非ホジキンリンパ腫 / がん抑制遺伝子 / p14遺伝子 / p16遺伝子 / 免疫グロブリン遺伝子 |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き脳リンパ腫の遺伝子解析を免疫グロブリン再構成H鎖遺伝子とp14がん抑制遺伝子を対象におこない以下の実績をあげた。 1.p14がん抑制遺伝子のの解析 (1)p14遺伝子のexon1に対するサザン法を10例で行ったところ、p16遺伝子の結果にほぼ対応した。すなわちp14遺伝子はp16遺伝子同様に高頻度にhonozygous欠失(50%)やhemizygous欠失(40%)を示すことが確認された。 (2)hemizygous欠失の4例と欠失のない1例を対象にプロモータから第1exonにかけてのメチル化の有無をメチル化感受性酵素SaclIを用いてサザン法で検索したところ5例全例が切片されることからメチル化による転写ブロックはないものと思われた。 (3)hemizygous欠失の4例と欠失のない1例を対象にp14exon1からPCRクローンを分離して塩基解析をおこなったところhemizygous欠失の1例にミスセンス変異が認めれた。 (4)以上より脳リンパ腫ではp14遺伝子欠失が高頻度(90%)であり、ミスセンス変異も認められ、p16遺伝子同様に発がんに密接に関与するものと思われた。 2.免疫グロブリン再構成H鎖遺伝子の解析 (1)脳リンパ腫6例を対象にVH遺伝子のRT-PCRクローンを分離して解析したところ、3例がV4-34、1例がV4-59、1例がV3-23、1例がV3-15となりV4-34遺伝子が高頻度に使用されていた。 (2)体細胞変異は8.8-27.3%(平均18.2%)と高頻度にみられた。 (3)FR領域のR(replacement)変異の頻度が全例で期待値より有意に低かった。 (4)以上より脳リンパ腫はgerminal center細胞またはその近縁細胞に由来することが示唆された。
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