研究課題/領域番号 |
11470290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
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研究分担者 |
西村 恒彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70237733)
丸野 元彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263287)
加藤 天美 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00233776)
中村 仁信 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116071)
平吹 度夫 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00189862)
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キーワード | 脳磁図 / 合成開口法 / SAM仮想センサー法 / SAM統計解析法 / 脳機能局在 / 事象関連脱同期現象 / 高次脳機能 / 高周波律動 |
研究概要 |
脳内神経活動はある空間的広がりを持った領域で行われるため、脳磁気解析において信号源を単一ないし複数の仮想双極子で代表する従来の等価電流双極子解析法には大きな問題があった。私どもはデジタル信号処理技術のひとつである合成開口法を応用して空間解像能を向上させ、頭蓋内の任意の空間における電気活動を抽出する方法を開発した。脳の電気的固有律動の同期あるいは脱同期現象は神経活動と密接に関連する。本法を用いて種々の脳活動にともなう各領域での神経活動の周波数ごとの信号強度変化の統計学的解析(SAM統計解析法)により、それぞれの神経活動に関与する領域の局在と時間経過を検討した。 運動機能に関して、正常被験者を対象に各周波数ごとに賦活される領域を計測した。その結果、賦活局在は従来の知見とおおむね合致しているが、各周波数ごとに脱同期を生じる領域は少しづづ異なっており、運動機能発現の過程における複数の神経回路の関与が示唆された。 感覚情報処理に関しては従来非侵襲的な計測が不可能であった高周波律動の関与を明らかにした。高周波律動は皮質微小回路を形成する視皮質床投射線維や皮質抑制介在ニューロンの活動を反映していることが最近明らかにされており、大脳皮質に広く分布する抑制系のメカニズムとの関連が示唆されている。この神経機構により感覚が弁別して認識されているとも考えられており、大脳生理学的にも興味ぶかい。 言語処理関連脳活動に関しては、ミリ秒単位で賦活部位の時間推移を検討したところ、黙読課題においても視覚野、感覚性言語野、運動性言語野の経時的賦活が明らかとなった。 また、本法を応用すれば、いわば仮想の脳表電極や深部電極を無数に設置したかのように頭蓋内電気活動を抽出することができ、脳内異常神経活動の起始と伝搬過程を明らかにすることができる(SAM仮想センサー法)。これを用いて新しいてんかん手術法の開発を行っている。
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