研究課題/領域番号 |
11470301
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小崎 慶介 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60302692)
|
研究分担者 |
戸辺 一之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30251242)
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
川口 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40282660)
東 成一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
門脇 孝 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30185889)
|
キーワード | IRS-1,-2 / インスリン / IGF-I / 骨粗鬆症 |
研究概要 |
1)IRS-1ノックアウト(-/-)マウスの骨密度は、野生型(+/+)マウスに比べて低下しており、部位による差は認められず、骨組織形態計測上低回転型骨粗鬆症の所見を呈していた。 2)IRS-1の発現の解析では、+/+由来の骨芽細胞にはIRS-1は強く発現していたがIRS-2の発現は微弱であった。一方、-/-由来の骨芽細胞にはIRS-2のみが発現していた。+/+由来骨芽細胞をインスリンおよびIGF-Iで刺激したところ、複数の蛋白リン酸化が誘導されたが、-/-由来骨芽細胞を両因子で刺激してもチロシンリン酸化の誘導は見られなかったため、骨芽細胞においてはIRS-1を介するシグナルがメインストリームであることが明らかとなった。 3)-/-由来の培養骨芽細胞の増殖能・分化能ともに、+/+由来の骨芽細胞に比べて有意に低下していた。IGF-Iとインスリンは共に+/+由来の骨芽細胞の増殖能および分化能をさらに濃度依存性に促進したが、-/-マウス由来の骨芽細胞には全く影響を与えなかった。 4)1,25(OH)_2D_3存在下において、骨芽細胞が-/-由来の場合に限り、破骨細胞形成が著明に低下していた.しかしながら形成された破骨細胞の骨吸収活性およびsurvival rateは正常であった。ODFの誘導が+/+由来骨芽細胞に比べて-/-由来骨芽細胞では著明に抑制されていたことから、骨芽細胞における破骨細胞形成支持能の低下が示された。 IRS-1-/-マウスでは明らかな骨代謝回転の低下が見られ、その背景には骨芽細胞機能の変化、すなわち増殖・分化能の低下およびODFの発現抑制に基づく破骨細胞形成支持能の低下が存在することが明らかとなった。 現在IRS-1の人の骨密度への関与について、我々の持っているデータベースとDNAをもとに解析中である。また、IRS-2のノックアウトマウスの解析も進行中である。
|