研究課題/領域番号 |
11470315
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
酒井 昭典 産業医科大学, 医学部, 講師 (90248576)
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研究分担者 |
鶴上 浩 産業医科大学, 医学部, 講師 (70299618)
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
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キーワード | 不動 / 骨粗鬆症 / 破骨細胞 / 骨髄細胞 / 副甲状腺ホルモン / RANKL / 形態計測 / マウス |
研究概要 |
不動により骨量が減少する機序のひとつとして、PTH/PTHrPのシグナルが亢進し、破骨細胞形成が促進されるという仮説をたてた。この仮説を検証するために、不動化した骨の骨髄間質細胞の破骨細胞様細胞の形成能とPTHrp、PTH/PTHrp、RANKL、OPG遺伝子の発現を調べた。8週齢の雄性、C57BL/6Jマウスを用いた。右後肢の坐骨神経を切除することにより不動化モデルを作成した(Nx群)。反対側の左後肢は神経を同定するだけの偽手術とした(Sham群)。脛骨近位二次海綿骨で骨形態計測を行った結果、海綿骨量と骨形成率は、Nx後2週以降で低下した。破骨細胞数は、Nx後2週で増加した。脛骨骨髄細胞を培養した結果、骨髄接着細胞数は、Nx後2週で減少していた。Nx後2週の骨髄間質細胞から形成される破骨細胞様細胞数は、培養液にPTHを添加した状態下で、有意に増加していた。この増加は、1,25(OH)2D3やPGE2の添加した状態下では見られなかった。Nx群では、処置後1週で、無処置群と比べて、骨髄間質細胞におけるPTHrp遺伝子の発現量は、4.1倍、PTH/PTHrp receptor2.7倍、RANKL2.9倍(いずれもp<0.05)、OPG2.7倍と増加していた。VDR遺伝子の発現量は変化がなかった。 副甲状腺を摘出することで、不動化による破骨細胞増加が抑制されるin vitroでの事実と、今年度の実験の結果は、骨の不動化状態では、骨髄間質細胞において、局所的にPTH/PTHrpシグナル伝達が亢進し、RANKLを介して破骨細胞形成が促進されている可能性を示している。
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