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2001 年度 実績報告書

慢性呼吸不全患者の周術期呼吸管理改善に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 11470316
研究機関千葉大学

研究代表者

西野 卓  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80009703)

キーワード慢性呼吸器疾患 / 間質性肺炎 / 吸入フロセミド
研究概要

本年度は周術期患者に関する幾つかの問題を臨床的および基礎的側面から追求した。臨床的問題としては、慢性呼吸器疾患患者のうち特に周術期の病態が不安定な間質性肺炎を合併する患者に対して、術中吸入酸素濃度が予後に及ぼす影響、具体的には術中吸入酸素濃度を可及的に低く保つことで術後の肺炎急性増悪を防止できるか否かを検討した。結果は吸入酸素濃度を制御した群と純酸素投与群の予後には差は認められず、急性増悪の発生頻度は変わらなかった。従って、麻酔中の可及的低酸素状態保持は間質性肺炎患者の予後を改善しないこと、術中安全な麻酔管理の観点からも低酸素血症にするメリットは少ないことが結論づけられた。慢性呼吸不全動物モデル作成に関する研究ではラットの気管にステントを挿入して粘性抵抗負荷するモデルとラット胸郭を持続的にカフで圧迫する弾性抵抗負荷モデルを作成し、比較的長期の呼吸パターン変化や血液ガス変化の観察を行なった。これらの研究により、慢性呼吸負荷に対する代償機構には負荷に対して急速に反応し数日中に完了する早い代償機構と1週間程度かけて徐々に生じる代償機構の二つの機構が存在することが示唆された。呼吸困難感に関する研究では麻酔下ネコ気道完全閉塞モデルを用い、吸入フロセミドの逃避反応に対する影響について検討した。その結果、吸入フロセミドは気道閉塞からの逃避反応行動を鈍化させたが、四肢に加えられた疼痛刺激に対する逃避行動には影響を与えなかった。この結果から、麻酔下ネコ完全気道閉塞モデルは呼吸困難感の発生機序や治療の研究に応用できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] IDE, T.: "The effect of epidural anesthesia on respiratory distress induced by airway occlusion in isoflurane-anesthetized cats"Anesth Analg. 92. 749-754 (2001)

  • [文献書誌] TANAKA, A.: "Effects of minor surgical trauma and endotracheal intubation on postoperative breathing patterns in patients anaesthetized with isoflurane or sevoflurane"Br J Anaesth. 87. 706-710 (2001)

  • [文献書誌] NEHASHI, S.: "Inhaled furosemide inhibits behavioral response to airway occlusion in anesthetized cats"Anesthesiology. 95. 1234-1237 (2001)

  • [文献書誌] ISONO, S.: "Pathogenesis of laryngeal narrowing in patients with multiple system atrophy"J Physiol(Lond). 536.1. 237-249 (2001)

  • [文献書誌] 根橋紫乃: "呼吸困難の治療法(2)-モルヒネ以外の方法-"緩和医療学. 3. 259-266 (2001)

  • [文献書誌] 西野 卓: "呼吸調節とその周辺"救急医学25:1015-1021,2001. 25. 1015-1021 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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