研究課題/領域番号 |
11470319
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
山崎 光章 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (70158145)
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研究分担者 |
澁谷 伸子 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40178926)
伊藤 祐輔 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70018307)
畠山 登 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (70251907)
永川 保 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (90237503)
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キーワード | 血管平滑筋 / 膜電位 / イソフルラン / WKYラット / SHRラット / K^+チャネル |
研究概要 |
本研究では、麻酔薬投与前後のラット腸管膜動・静脈の膜電位をin situにて測定することにより、それら抵抗および容量血管に対する麻酔薬の作用機序について検討することを基本的な研究手段とした。まず、各種K^+チャネル遮断薬(iberiotoxin(KCa),4-aminopyridine(Kv),BaCl_2(KIR),glybenclamide(KATP))を用い膜電位測定後、吸入麻酔薬であるイソフルランを適用し、それぞれのチャネルに対するイソフルランの作用機序について検討した。イソフルランは、膜電位を過分極させ、それぞれのK^+チャネル遮断薬は膜電位を脱分極させた。iberiotoxinおよびglybenclamide(KATP)投与後にイソフルランを適用させても膜電位は過分極しなかったことより、イソフルランによる過分極は、KCaおよびKATPチャネルの活性化によることが示唆された。 さらに、高血圧(SH)ラットおよび正常圧(WKY)ラットを用い、6-hydroxydopamineによる脱神経を行った群と行わなかった群に分け、イソフルランの膜電位に対する作用機序の違いを検討した。まず、6-hydroxydopamineによる脱神経でSHは過分極したがWKYはしなかった。イソフルラン適用による過分極作用は、脱神経を行わなかった群で行った群より過分極作用が大きく現れ、特にSHに顕著であった。加えて、脱神経を行わなかった群ではSHの方がWKYより過分極作用が大きかった。これより、SHモデルにおけるイソフルランによる過分極作用は、主(第一)に中枢からの交感神経の刺激を遮断することによると考えられる。また、末梢におけるイソフルランによる過分極作用(neuralおよびnononeuralの両作用とも)は、SHおよびWKYでその作用機序は同様であると考えられる。
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