研究課題/領域番号 |
11470323
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
坂部 武史 山口大学, 医学部, 教授 (40035225)
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研究分担者 |
福田 志朗 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70322245)
松本 美志也 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (60243664)
中木村 和彦 山口大学, 医学部, 助教授 (50180261)
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キーワード | 脊髄虚血 / 家兎 / マイクログリア / アストロサイト / マイクロファージ |
研究概要 |
中枢神経系の傷害ではグリア細胞が活性化され、神経細胞保護作用あるいは傷害作用を発揮すると考えられている。本研究では、一過性脊髄虚血後の脊髄運動神経細胞の傷害とグリア細胞の関係を経時的に検討し、運動神経細胞の遅発性傷害の機序にグリア細胞がどのように関与しているかを検討した。 家兎の一過性(15分間)脊髄虚血モデルを用いた。家兎を再灌流後の評価時間により無作為に以下の群に分けた。2時間群(n=9)、4時間群(n=8)、8時間群(n=9)、12時間群(n=9)、24時間群(n=9)、48時間群(n=9)、対照群(n=4)。各々の時点で神経学的評価を行い、その後、脊髄を灌流固定し、運動神経細胞の抗Microtubule-associated protein 2(MAP2)抗体による染色、microglia、astrocyte、macrophageに関して組織学的評価を行った。 ほとんどの家兎で遅発性後肢運動機能傷害を呈した。運動神経細胞の初期の変性像はH-E染色で細胞質の膨化とNissl小体の細粒化で、核は比較的保たれていた。この時点で、MAP2染色の染色性が低下している運動神経細胞が認められた。Microgliaとastrocyteは再灌流2時間後より活性化されたが、microgliaが灰白質全体に一様に活性化されていたのに比較し、astrocyteは神経障害が強いと考えられる部位での活性化が強かった。再灌流24時間〜48時間では神経障害の強い家兎ではmicrogliaの活性化が増強されたが、神経障害が弱い家兎ではむしろ活性化は低下した。神経障害が強い家兎ではastrocyteのhypertrophyやhyperplasiaが観察された。Macrophageは神経障害の弱い家兎ではほとんど観察されなかったが、神経障害の強い家兎では再灌流12時間後より認められ、48時間ではさらに多くのmacrophageが灰白質に観察された。 遅発性運動神経細胞傷害においてmicrogliaやmacrophageによる運動神経細胞傷害作用を積極的に支持する所見はなく、両者はむしろ壊死組織を積極的に処理していると考えられた。
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