研究課題/領域番号 |
11470330
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
太城 力良 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
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研究分担者 |
辻本 三郎 兵庫医科大学, 医学部, 講師
村川 和重 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (70104263)
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キーワード | 胎盤移行 / 胎盤潅流 / プロポフォール / p-glycoproteion / シクロスポリン / 薬効動態 |
研究概要 |
1.ヒト胎盤潅流モデルにおけるプロポフォールの移行 帝王切開時に娩出した胎盤の1つの小葉を用いて胎児側潅流液のアルブミン濃度を変化させて母対側潅流液中のプロポフォール(P)の移行を調べた(single pass mode)。その結果、胎児側アルブミン濃度の上昇に伴い同側プロポフォール濃度は上昇した。受動輸送の標準薬として同時に母体側潅流液に加えていたアンチピリンのクリアランスは胎児側アルブミン濃度に関係なく一定であった。また、母体側動脈-静脈のP濃度較差は一定で、胎盤組織取込量も相当あることが判明した。胎児血漿タンパク量はプロポフォール胎盤移行量を決定する大きな因子の一つと結論した。 2.P-glycoprotein修飾薬シクロスポリンによる脳組織プロポフォール濃度変化 脂溶性薬剤の胎盤移行に絨毛膜に発現するp-glycoproteinが影響すると考えた(血液-脳脊髄関門にも発現してポンプ機能により脳内濃度を下げる)。まず、in vivoラットにプロポフォールを静注し、P-glycoprotein拮抗薬シクロスポリンを前処理することによりP脳内濃度や麻酔作用がどのように変化するか調べた。前処理により麻酔作用は逆に増強・延長しP持続静注終了時の血中濃度は上昇し、覚醒時の脳組織P濃度は減少した。覚醒時の脳/血液濃度比は前処理にて増大した。予測とは逆の結果となり、その原因として分布容量の減少を考えた。これらの結果より、現在は、ヒト胎盤モデルでの同様の研究は待機し、文献的検討を加えている。
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