研究課題/領域番号 |
11470332
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山中 英寿 群馬大学, 医学部, 教授 (70110393)
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研究分担者 |
鈴木 和浩 群馬大学, 医学部, 講師 (80312891)
湯浅 久子 群馬大学, 医学部, 助手 (50240148)
深堀 能立 群馬大学, 医学部, 講師 (90199167)
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キーワード | 前立腺肥大症 / アンドロゲン / エストロゲン / ER / AR / クロス・トーク / エンドセリン / 平滑筋 |
研究概要 |
前立腺肥大症はアンドロゲン(A)のみならずエストロゲン(E2)が深く関与している。肥大腺腫の組織像は70%以上を間質細胞(主に平滑筋)が占めている。我々はラット実験モデル、ヒト培養細胞を用いて間質-上皮細胞の相互作用に焦点をあてて発症メカニズム解析を進めてきた。当該年度はイヌ肥大症モデルも加えて検討した。 1)ラット肥大症モデル(精嚢)での検討:オリゴプロープを作製しRapid In situ hybridization 法を用いて、エストロジュンレセプター(ER)αmRNA、ERβmRNA発現の検討をした。ERαmRNAは去勢で有意に発現があり、E2投与により上皮特に間質領域に顕著に発現し投与後48時間をピークとした。ERβmRNAは去勢では全くないがE2投与後3日、上皮細胞に顕著に発現し7日には消失した。この結果はreal-time PCR法による定量分析にほぼ一致し、免疫組織学的検討によるERα、ERβ蛋白の組織分布に十分相関する結果であった。 2)ヒト前立腺肥大腺腫由来の上皮培養細胞での検討:10^<-8>M・E2を12時間曝露した培養細胞のARmRNA,ERβmRNAの発現をreal-time PCR 法で定量した。ARmRNAの発現はコントロールの7倍であった。ERβmRNAも発現した。ARmRNAの発現がE2によりup-regulateされた。この結果から肥大腺腫においてAR-ERクロス・トークが示唆された。 3)イヌ前立腺肥大モデルでの検討:下部尿路平滑筋に存在すると思われる生理活性ペプチド・エンドセリンは排尿障害の一因と考えられている。A、E2を徐放剤にして投与作製したイヌ前立腺肥大モデルを用いて検討した。エンドセリンレセプター拮抗薬が肥大症による尿道閉塞に伴う排尿障害に対し有効であることが確認された。この結果からエンドセリンレセプター拮抗薬の薬剤開発の有用性が示唆された。
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