研究概要 |
1.ABO不適合腎移植における急性拒絶反応抑制・制御の方法論について多数例でその詳細を検討した(著書化、論文化)。 (1)抗体除去法:免疫吸着法、二重膜濾過血漿交換療法、全血漿交換療法 (2)術前抗体価:IgM,IgG共に8倍以下(現在測定法の標準化を全国規模で検討中) (3)免疫抑制プロトコールとその効果:cyclophosphamide,MMFとCalcinurine inhibitor,steroidの組み合わせによる有効性を評価中。 (4)脾摘の意義:現時点では脾摘が有効との見解。ワクチン接種の意義も検討。 (5)病理診断基準:全国集計中。 2.全国のABO不適合腎移植症例を集計し、患者生存率、移植腎生着率、予後因子について詳細な検討を行った(論文化)。 長期予後は適合例と同等であるが、短期(1年)生着率が低いこと、その原因として早期の患者死亡が1/3,急性拒絶反応が1/3を占めるので、手術術式、周術期管理、免疫抑制プロトコールの標準化を行うべく、基準案を作成中。 3.抗血管内皮細胞抗体の測定法と移植腎拒絶反応における意義についてまとめた。 (論文化)
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