研究課題/領域番号 |
11470339
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10106312)
|
研究分担者 |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00260787)
上村 博司 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50244439)
|
キーワード | 前立腺癌 / 再熱 / Differential Display法 |
研究概要 |
本研究では、differential display法によりヒト前立腺癌の再燃前後に変化する新しい遺伝子を同定しその調節機構と役割を明らかにする。昨年までの検討の成果として、Differential Display法により再燃前後で発現に違いがある遺伝子断片を見つけ、塩基配列の決定とコンピューター解析により未知か既知かの分析と既知遺伝子との相似性の検索を行い、OSM-β遺伝子とnmt55という遺伝子を同定した。また、アンドロゲン依存症の新しい遺伝子としてLiprinα-2とNKX3.1like遺伝子を同定した。 本年度の成果として、 1.OSM-β遺伝子は、オンコスタレンMのレセプター機能をもつチロシンキナーゼ型の増殖因子受容体のfamilyに属し、その発現はアンドロゲンに依存しないことが分かった。また、再燃前立腺癌および、ホルモン非依存性前立腺癌では、この遺伝子が強く発現する例が多いことが明らかとなった。再燃癌の増殖機構に関わることは明らかで、この遺伝子を標的とした分子標的治療が考えられる。 2.nmt55遺伝子は、転写調節因子であり、アンドロゲンレセプター遺伝子の発現と相関があり、アンドロゲンレセプターを介した調節を受ける他の遺伝子と関係し、前立腺癌のホルモン特性に関わり、再燃癌ではこの遺伝子の発現が消失することが分かった。 3.Liprinα-2遺伝子は、アンドロゲン除去時にアポトーシス誘導に関わること、また、Liprinα-2の発現が消失すると、転移や増殖の促進が起こることが示唆される結果であり、再燃癌の発生に深く関わることが明らかとなった。
|