研究課題/領域番号 |
11470340
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30122047)
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研究分担者 |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (40264733)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40238134)
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キーワード | 尿路結石症 / オステオポンチン / アンチセンス / 遺伝子治療 |
研究概要 |
腎結石を持ったヒトの腎尿細管細胞と実験的蓚酸カルシウム結石形成ラットの腎尿細管細胞において遺伝子レベルでもオステオポンチン、カルプロテクチンの強い発現を認めており、ヒトのカルシウム含有結石のマトリックスにオステオポンチン、カルプロテクチンの存在を証明した。また、腎結石を持ったヒトの腎だけではなく実験的蓚酸カルシウム結石ラットの腎においてもマクロファージが尿細管細胞の周囲の間質に遊走してきておりそれは結石の形成や、オステオポンチンの発現が増強するよりも早期であった。ヒトの腎と結石形成ラットの腎においては炎症性サイトカインの発現が認められる。また、細胞接着因子の発現もサイトカインと同時点で認められた 上部尿路結石の形成機序においてオステオポンチン、カルプロテクチン、MGP、サイトカイン、マクロファージと腎尿細管細胞が関与しており、それは、腎尿細管細胞とその間隙で蓚酸濃度が増加すると蓚酸を排除するためにマクロファージが集積し、サイトカインが分泌されその作用のために腎尿細管細胞内のオステオポンチンの発現が増強され、細胞は肥大、泡沫化してオステオポンチン、カルプロテクチン、MGPの基盤となり、カルシウムの沈着が起こる。オステオポンチン、カルプロテクチン、MGP、サイトカイン、マクロファージが結石形成初期の段階から重要な役割を果たしていることをさらにはっきりさせるために、in vivoとin vitroの実験系でオステオポンチン発現とサイトカインの発現を抑制することで結石形成が抑制できるのではないかと考えた。
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