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2001 年度 実績報告書

エストロゲンの動脈硬化抑制作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11470349
研究機関大阪大学

研究代表者

森重 健一郎  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90283788)

研究分担者 大道 正英  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283764)
坂田 正浩  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10260639)
キーワードエストロゲン / IMT / エストロゲンレセプター / NO / eNOS / PDGF / MAP kinase / パルスドップラー
研究概要

1、臨床研究
外来を受診する閉経後の女性に対して、エストロゲンを投与する患者と、エストロゲン投与しない患者を前向きに選別し、治療前から6カ月ごとに3年間にわたって以下の検査を施行した。
1)超音波断層法により頚動脈の血管の肥厚(IMT ; intima media thickness)を左右で計6カ所で測定し最大値と平均値を記録する。また、パルスドップラー法を用いて血管の抵抗(PI; pu1satility index)を同時に測定した。
2)来院時に採血を行い、脂質代謝のパラメーターとして、総コレステロール、HDLコレステロール、アポ蛋白A1,B, E、リポプロテインa、血管病変の指標としてp-セレクチンを測定した。
3)エストロゲン投与により、IMTは減少し、脂質代謝および血管病変の指標は、低下した。
2、基礎研究
1)分娩時の臍帯から臍帯動脈の血管内皮細胞及び、平滑筋細胞の初代培養系を確立し、エストロゲンレセプター(ER)の存在をRT-PCR法を用いて確認したところ、ERαおよびERβの発現を認めた。
2)内皮細胞においてエストロゲンのN0産生は亢進された。また、N0合成酵素(eNOS)の発現に対するエストロゲンの効果は認めなかった。
3)血管内皮細胞で産生される各種の細胞増殖因子が単球やマクロファージの侵入に関与するが、そのなかでも特にPDGFは強い効果を持つ。MTSを用いたCell viability assayにて検討したところ、血管内皮より分泌される増殖因子PDGFにより、血管平滑筋細胞の増殖を促進していた。一方エストロゲンはPDGFの増殖促進効果に対して抑制的に作用していた。
4)エストロゲンの血管平滑筋細胞増殖抑制作用にMAP kinase family(ERK, JNK)が関与しているか否かを検討した。精製したc-Junを基質としてin vitro kinase assayを施行し燐酸化c-Junを認識する抗体を用いたウエタンブロット解析よりJNK活性を測定したところ、JNKの関与は否定的であった。ERKの関与については検討中である。
5)血管内皮細胞におけるエストロゲンの作用がエストロゲン受容体を介する作用か否かを検討するために、エストロゲンのアンタゴニスト(ICI182780)を用いてエストロゲンによるeNOSの活性化への影響を検討しプロゲステロンによってこれが拮抗されるかは現在検討中である。
以上よりエストロゲンの抗動脈硬化作用が、in vivoおよびin vitroにおいて明らかになった。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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