研究課題/領域番号 |
11470350
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
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研究分担者 |
吉田 壮一 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (70304219)
岩部 富夫 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (10284001)
原田 省 鳥取大学, 医学部, 講師 (40218649)
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キーワード | 子宮内膜症 / 病態 / 間質細胞 / 腹腔マクロファージ / サイトカイン / IL-6 / TNF-α |
研究概要 |
正所性および異所性子宮内膜細胞におけるIL-6の発現、次にIL-6遺伝子ならびに蛋白発現に及ぼすTNF-αの作用を検討し、加えて、内膜疾患者腹腔のマクロファージと内膜症間質細胞におけるIL-6産生能を比較検討した。 手術時に摘出した子宮(増殖期4例、分泌期3例)および卵巣チョコレート嚢胞壁(卵胞期9例、黄体期4例)から、正所性内膜および異所性内膜間質細胞をOsteenらの方法を用いて分離培養した。子宮内膜症患者(3例)の腹腔鏡検査時に採取した腹水より、Lymphocyte Separation Mediumを用いてマクロファージを遠心分離し、培養した。IL-6の遺伝子発現はNorthern blot法で、蛋白発現は抗IL-6抗体を用いた免疫染色ならびにELISA法により評価した。 内膜症間質細胞においてIL-6遺伝子発現が観察された。1ng/ml以上のTNF-α添加はIL-6遺伝子の発現を有意に増強した。子宮内膜間質細胞においてはIL-6遺伝子発現は僅かであり、TNF-αによる誘導もみられなかった。子宮内膜間質細胞培養上清中のIL-6濃度は低く、10ng/mlTNF-αの添加により産生が誘導された。一方、内膜症間質細胞培養上清中のIL-6濃度は高く、TNF-αは濃度依存性に産生を促進し、1ng/ml以上の添加でIL-6産生は有意に促進された。免疫染色において、内膜症間質細胞にはIL-6蛋白の発現が明瞭に観察されたが、子宮内膜間質細胞においては弱い染色性を認めるにとどまった。腹腔マクロファージと内膜症間質細胞のIL-6産生能を比較検討した結果、培養細胞数当たりのIL-6蛋白産生は同程度であった。 本研究成績から、子宮内膜症病変で観察されたIL-6の遺伝子と蛋白の過剰発現が本症の病態に関与することが示唆された。
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