研究課題/領域番号 |
11470356
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
児嶋 久剛 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10127079)
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研究分担者 |
平野 滋 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10303827)
庄司 和彦 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60196582)
内藤 泰 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70217628)
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キーワード | 聴覚障害 / 言語障害 / 脳機能画像 / ポジトロン断層法 / 人工内耳 / 痙攣性発声障害 / リハビリテーション / 補足運動野 |
研究概要 |
各聴覚・言語障害患者の脳機能をポジトロン断層法を用いて検出した。その結果、人工内耳患者の言語認知時には聴覚連合野に加え補足運動野が活動することが見いだされた。補足運動野は運動のプログラミングに関与するとともに、異言語の認知に際して動員される可能性にわかっている。従って、人工内耳患者の場合、人工内耳を介した新しい言語音の獲得にはこの部位の活動が必要と思われた。そこで、先天聾で人工内耳を埋め込んだ小児のリハビリテーションにおいて、単に言語音を聞かすだけでなく、これを逐一復唱させて覚えさせるような訓練を行った。すると、言語聴取だけの訓練にくらべ言語認知能力が飛躍的に向上した。このような言語の表出と認知の相互作用をうまく利用することで、聴覚障害者のリハビリテーションに貢献することができるものと考えられた。一方、痙攣性発声障害者ではこの補足運動野の活動がおこらなくなっており、これが発話運動の障害につながっている可能性がわかった。このような患者には補足運動野を活動せしめるような訓練が必要と考えられた。
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