研究課題/領域番号 |
11470357
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小林 俊光 長崎大学, 医学部, 教授 (80133958)
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研究分担者 |
田中 藤信 長崎大学, 医学部, 助手 (00284688)
神田 幸彦 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (20264244)
中尾 善亮 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (40188884)
菊地 俊彦 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (70177799)
和田 仁 東北大学, 医学部, 教授 (30111264)
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キーワード | 中耳真珠腫 / 迷路瘻孔 / レーザー / 耳管 / 耳管開放症 |
研究概要 |
以下の3つの主要テーマについて、それぞれの研究の進行状況を述べる。 迷路瘻孔の病態生理と最適治療法の確立:複数の迷路瘻孔が存在するときにこれを操作する危険性について検討した。迷路瘻孔が2つ存在する場合に、1つを吸引したときに蝸牛機能の低下が起こるが、その程度は他端が乾燥しており、脳硬膜が切開されている状態で最も大きかった。その予防には、生食で還流しながらの操作が重要であった。また、脳硬膜の切開は、可能であれば迷路瘻孔が閉鎖されたのちに行うべきと考えられた。今後さらに症例数を追加するとともに、前庭が開放された時の内耳機能低下の予防策を検討する予定である。 エルビウムレーザーによる耳小骨連鎖再建:このレーザーは従来の各種レーザーに比較して、骨削開能に優れているが、内耳が照射されたときの安全性の確認のために、内耳への照射実験を行った。その結果、アブミ骨底への照射では内耳障害の可能性を否定できなかった。キヌタ骨より外側の耳小骨への照射では内耳障害は明らかでないことから、臨床に使用できるめどがついた。 閉鎖不全耳管開放症に対する新しいプロテーゼの開発:難治な耳管開放症にたいする治療法としてシリコン製の耳管ピンを作製した。その形状を工夫して、最適のものを設計してきた。現在までに4つの形状を決定して、耳管の個人差に応じて使用している。標準的なサイズは長さ23mm、最大幅2.5mm、先端の太さ1mmである。現在のところ15例に使用し約70%の症例に有効である。
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