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1999 年度 実績報告書

遺伝子欠損マウスとホメオボックス・分子モーター遺伝子解析による難聴発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11470358
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

喜多村 健  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90010470)

研究分担者 堤 剛  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90302851)
野口 佳裕  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50282752)
栫 博幸  自治医科大学, 医学部, 助教授 (40201412)
川上 潔  自治医科大学, 教授 (10161283)
キーワード内耳奇形 / 実験動物 / 感音難聴 / 遺伝子
研究概要

ヒトの感音難聴は遺伝性のものが多いにも関わらず,同定されている遺伝子は数少ない。その理由としては,ヒトでの遺伝子解析の困難と,生体から内耳の組織採取が困難であるためである。本研究では,聴覚障害モデル動物を用いて感音難聴の病態解明を行った。当該年度には,難聴ならびに行動異常マウスとして知られていたJackson shaker mouseを検討した。本マウスは高度難聴を示し,振戦,首振り運動,回旋運動などの行動異常を呈する。内耳組織所見では,蝸牛有毛細胞の感覚毛の配列障害が同定された。前庭では,感覚細胞において,巨大な感覚毛が観察され,蝸牛と同様に感覚毛の配列障害がみられた。これらの内耳奇形を呈する原因遺伝子は,分子モーターであるキネシン遺伝子変異によるものと判明した。われわれは,すでにヒトの遺伝性感音難聴家系において,ミオシン7A遺伝子変異が難聴の原因であると同定している。Jackson shaker rmouseの遺伝子変異がキネシンと判明したことで,内耳での分子モーターの生理学的重要性が再認識され,難聴をはじめとする内耳疾患の原因としても重要であることを解明した。
ホメオボックス遺伝子変異としては,EyaとSix遺伝子の相互関連を検討した。その結果,Eya蛋白質が細胞質から核へと移行し、Six蛋白質と複合体を形成することで,SixとEyaの協同作用が生じる点を証明した。
内耳奇形マウスとして報告されているWriggle Mouse Sagami(wri)においては,Plasma Membrane Ca-ATPase type2(PMCA2)遺伝子の変異が疑われたため塩基配列を決定し,同遺伝子1234位の点変異を同定した。対応するアミノ酸では412位のグルタミン酸がリジンへ置換されており,内耳有毛細胞における特異抗体の染色性が低下していた。PMCA2遺伝子はヒトにおいては第3染色体短腕に存在するが,同遺伝子異常によって生じるヒト疾患、難聴家系はいまだ同定されていない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kitamura K: "A morphologic and morphometric study of the peripheral process of the human vestibular nerve following posterior cranial fossa neurectomy"J Laryngol Otol. 113. 967-972 (1999)

  • [文献書誌] Takahashi K: "A point mutation in a plasma membrance Ca^<2+> -ATPase gene causes deafness in Wriggle Mouse Sagami"Biochem Biophys Res Commun. 261. 773-778 (1999)

  • [文献書誌] Takahashi K: "Detection of mRNA of Kinesin Superfamily 3A in the Cerebrum and Cerebellum: Biotin-Tyramine-Catalyzed Signal Amplification for In situ Hybridization"Acta Histochem Cytochem. 32. 275-280 (1999)

  • [文献書誌] Takahashi K: "Quantitative analysis of mitochondrial 3243 mutation in the inner ear of MELAS"Hereditary Deafness Newsletter. 16. 38-38 (1999)

  • [文献書誌] Takahashi K: "Evaluation of inner ear histology and auditory brainstem response in Wriggle Mouse Sagant"Acta Otolaryngol (Stockh). 119. 767-772 (1999)

  • [文献書誌] Kitamura K: "Mutation of the Pendred syndrome gene (PDS) in patients with large vestibular acqueduct"Acta Otolaryngol (Stockh). (in press).

  • [文献書誌] Kitamura K (eds): "Genetics in Otorhinolaryngolgy. Adv Otorhinolaryngology 56"Karger. 297 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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