研究課題/領域番号 |
11470362
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 和久 岐阜大学, 医学部, 助教授 (80179168)
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研究分担者 |
川瀬 和秀 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40234067)
谷口 徹 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30179840)
山本 哲也 岐阜大学, 医学部, 教授 (50134581)
内田 英哉 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (70273133)
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キーワード | 緑内障 / 神経保護 / カルシウム拮抗薬 |
研究概要 |
1.緑内障性視神経障害の成因および治療に関する基礎実験:ラットに墨汁注射と隅角レーザー照射を組み合わせた方法による眼圧上昇モデルならびに視神経クリッピングによる視神経障害モデルを作成した。各種薬物の視神経保護作用について上記モデルを用いて試験し、各薬物の緑内障性視神経症治療薬としての可能性を検討した。実験では、標識物質の上丘注射による網膜神経節細胞の活動性の検討、組織学的に網膜形態の検討、電気生理学的手法による網膜電図の検討を行った。その結果、既に我々が明らかにしたMK-801およびmemantine(NMDA受容体非拮抗阻害薬)、T-588(神経伝達物質遊離促進剤)、タクロリムス(免疫抑制剤)、betaxolol(β遮断薬)の神経保護効果を種々の角度から再確認することができた。この成果はNMDA受容体阻害薬などアポトーシスに影響する多様な薬物が眼圧下降を介さずに緑内障性視神経症による網膜神経節細胞の細胞死を有意に抑制することを意味し、将来の緑内障治療の方向性を強く示唆すると考える。 2.カルシウム拮抗薬の臨床研究:緑内障性視神経症の発症進行因子を、種々の血流測定装置を用い、また、多変量解析を用い種々の方法で検討することにより、視神経乳頭出血、乳頭周囲網脈絡膜萎縮、眼窩血流動態異常などの眼圧非依存性発症進行因子の存在を証明した。また、正常眼圧緑内障の長期観察成績から、緑内障性視神経症に対する、カルシウム拮抗薬による眼圧下降を介さない治療の有用性を証明した。
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