研究概要 |
1.培養網膜神経節細胞の細胞内カルシウム濃度測定実験における至適グルタミン酸濃度の決定 培養網膜神経節細胞に対し種々の濃度のグルタミン酸を暴露し、カルシウム画像解析装置を用いて細胞内カルシウム濃度の上昇を測定し,実験に最適な至適濃度を決定した。 2.グルタミン酸誘発性培養網膜神経節細胞死に対する至適グルタミン酸濃度の決定 培養網膜神経節細胞に種々の濃度のグルタミン酸を24時間暴露し、暴露前後での生存細胞数を比較し生存率を計測した。10μMでは60.6%,100μMでは39.6%と濃度依存的に生存率が低下するのを認めた。現在高濃度グルタミン酸短時間暴露による遅発性細胞死のモデルを検討中である。 3.グルタミン酸誘発性細胞内カルシウム濃度の上昇に対するbetaxololの作用の検討 1のモデルを用いて、10μMグルタミン酸暴露に対しbetaxololを前処置及び同時投与した。Betaxolol 100μM投与により細胞内カルシウム濃度の上昇率は66.7%に抑制された。 4.グルタミン酸誘発性培養網膜神経節細胞死に対するbetaxololの作用 3のモデルに用いてbetaxolol 100μMを同時投与した。グルタミン酸10μM暴露による生存率は64.4%であったが、betaxolol 100μM同時投与により生存率は79.9%に上昇し、神経保護作用が認められた。 5.網膜分化を誘導する遺伝子のクローニング 生後2週間以内のマウスの網膜から、Differential Display法を用いて、一時的に発現の上昇する新規遺伝子を単離した。その後、マウスのcDNAライブラリーからその遺伝子の全長をクローニングした。 6.クローニングされた遺伝子の網膜の局在性の検討 幼少マウスの眼球組織切片を作製し、得られた新規遺伝子が網膜に限局性に発現していることをIn Situ Hybridization法を用いて確認した。
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