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2000 年度 実績報告書

眼科臨床応用のための遺伝子治療法(薬物産生遺伝子治療)の用発

研究課題

研究課題/領域番号 11470365
研究機関九州大学

研究代表者

坂本 泰二  九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (10235179)

研究分担者 居石 克夫  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
キーワード薬物送速 / 遺伝子治療 / 組織リモデリング / VEGF / TGF-β / アデノウイルスベクター
研究概要

血管新生特異的な増殖因子である血管内皮増殖因子(VEGF)の受容体Flt-1を過剰発現するアデノウイルスベクターを作成し、これを用いて血管新生を抑制すると、実験的マウス眼瞼悪性黒色腫の増殖は明らかに抑制されたが、同部に皮膚潰瘍が形成された(Shiose S,et al.Invest Ophthalmol Vis Sci,2000)。また、加齢黄斑変性の網膜下血管新生モデルラットにたいして同じシステムを用いると、網膜下血管新生は確かに抑制されたが、網膜が激しく障害された(Honda M,et al.Gene Therapy,2000)。つまり、血管新生とは、視力障害など生体に害をおよぼすだけでなく、逆に創傷治癒には欠くべからざる現象なのである。当初考えたように血管内皮細胞のみを制御しても、治療のためにはむしろ障害となることがわかったので、創傷治癒過程の炎症、線維化をおさえていわゆる「きれいな創傷治癒」を行うために、組織プラスミノーゲンアクチベーター(Sakamoto T et al,Hum Gene Ther,1999)や、トランスフォーミング増殖因子(TGF-b)を抑制するアデノウイルスベクターを作成した(Sakamoto T et al.Gene Therapy,2000)。この治療により、線維化ならびに血管新生も少ない角膜創傷治癒が可能となった。また、実験的肝硬変の抑制も可能であった(Uenoh et al,Hum Gene ther,2999)。血管新生現象は近年の遺伝子操作技術で可能となったが、生体にとって有益な創傷治癒は、さらに様々な現象を制御することが必要でありさらなる研究が必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sakamoto T et al: "Blockade of TGF-beta by in vivo gene transfer of a soluble TGF-beta type II receptor in the muscle inhibits corneal opacification, edema and angiogenesis."Gene Therapy. 7. 1915-1924 (2000)

  • [文献書誌] Shiose S et al: "Adenovirus mediated gene…"Invese Ophthalmal V.s Sci. 41. 2395-2403 (2000)

  • [文献書誌] Honda M et al: "Experimental Subretinal…"Gene Therapy. 7. 978-985 (2000)

  • [文献書誌] Hikaru Ueno et al: "A Soluble TGF-G receptor expressed in muscle prevents liver fibrosis and dysfunction in the rat"Human Gene Therapy. 11. 33-42 (2000)

  • [文献書誌] Kohichi Takayama et al: "Adenovirus-mediated VEGf/Flt-1 receptor gene transfection inhibits the proliferation of lung cancer"Cancer Research. 60. 2169-2177 (2000)

  • [文献書誌] Hisatomi T et al: "Apoptosin in inducing factor in RD"Am J Pathol. (in press).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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