研究課題/領域番号 |
11470366
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小口 芳久 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051498)
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研究分担者 |
別院 泰樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255528)
大出 尚郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70223881)
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40157186)
賀戸 久 金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 教授 (60278091)
井上 理香子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255518)
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キーワード | 脳磁図 / magnetoencephalography MEG / 多局所視覚誘発電位 / multi-focal VEP / 他覚的視野 / 視覚誘発脳磁場 / visual evoked magnetic field:VEF |
研究概要 |
網膜・視神経・視中枢疾患の病態を解明する目的で、多局所誘発電位測定技術(multi-focal technique)や脳磁図(magnetoencephalography:MEG)などの新しい電気生理学的手法を用いて他覚的に視機能評価を行た。 1)多局所誘発電位測定装置(VERIS system)を用い網膜局所を刺激し、視中枢における反応(多局所視覚誘発電位:multi-focal VEP)を記録するための技術を確立し、従来の方法では困難であった視野の上下左右4象限の範囲に相当する視覚誘発電位の記録を行う事に成功した。本法は非侵襲的でありかつ短時間(片眼約4分間)で記録できるため被験者への負担も少なく半盲を呈する脳神経系の疾患の他覚的視野の評価法として十分に臨床応用が可能であると思われる。 2)光のonsetおよびoffsetに対する多局所視覚誘発電位の記録方法の確立に成功した。網膜上での光のonsetとoffsetに反応する双極細胞の分布には違いがあることが知られており、近年眼疾患の中にonだけが障害を受けるものやoffだけが障害を受けるものの存在がわかってきているため、これらの疾患への応用が期待される。しかし、本法は記録時間が10数分と長いため臨床への応用には改良が必要と思われる。 3)脳磁図(MEG)を用いた眼科領域における機能評価方法は確立されたものはまだない。視覚誘発脳磁場(visual evoked magnetic field:VEF)計測のための視覚刺激装置の開発を行い、従来視覚誘発電位(visual evoked potential:VEP)で行われてきた基本的な刺激(Flash刺激やパターン刺激など)を用いて健常被験者のVEFの記録を行った。VEFから電極双極子ベクトルを推定すると、Flash刺激、パターン刺激ともに従来の報告通り後頭葉の鳥距溝付近(第一次視覚野)に得られた。
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