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ケロイド由来線維芽細胞の各増殖因子に対する細胞増殖、コラーゲン合成に関しては種々の報告があるが、その特異的な細胞内伝達経路の異変に関しては解明されていない。
われわれは患者の同意を得た上で手術材料等からそれぞれ(正常皮膚、ケロイド)の線維芽細胞の初代培養を行い、実験に十分な細胞を確保した。
各細胞増殖因子刺激により細胞増殖を調べたところEGFおよびTGF-βの併用がケロイド由来線維芽細胞で促進的に働いていることを再確認できた。さらに、各増殖因子に対するMAPKおよびJNKのリン酸化をwestern blotting法で調べたところ、EGFおよびTGF-βの併用刺激によりJNKのリン酸化がケロイドで有意に強く認められた。
また、肥厚性瘢痕由来線維芽細胞では、TGF-β刺激群ならびにPDGF刺激群において、トラニラストの添加によりMAPKのリン酸化が抑制された。
今後、この結果をふまえてケロイド由来線維芽細胞においても検索を進める予定である。
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