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2000 年度 実績報告書

ケロイド由来線維芽細胞の細胞増殖信号伝達異常に対する分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11470371
研究機関北海道大学

研究代表者

皆川 英彦  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80229757)

研究分担者 葛巻 暹  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (80091445)
キーワードケロイド / 線維芽細胞 / 細胞内信号伝達 / アポトーシス / 分子生物学
研究概要

1 ケロイド由来線維芽細胞において各種増殖因子刺激に対するシグナル伝達因子(ERK、JNK、p38)のリン酸化を調べた。ケロイド由来線維芽細胞においてはTGF-β1+EGFの併用刺激によるERKの強いリン酸化が認められるとともにJNKおよびp38に関しては恒常的リン酸化が認められた。
また、各種増殖因子刺激下でトラニラスト添加群と非添加群におけるMAPキナーゼのリン酸化を調べ、トラニラスト添加によるMAPキナーゼリン酸化抑制作用を見出した。このことから増殖因子による細胞外刺激に対して正常、肥厚性瘢痕、ケロイド間には細胞内シグナル伝達に大きな違いが存在することが明らかになった。
2 抗Fas抗体を用い、アポトーシスを誘導したところケロイド由来線維芽細胞は有意に耐性を示した。また、その原因がcaspase cascadeより上流での抑制因子の存在であることを証明した。さらに、ケロイド由来線維芽細胞の内因性TGF-β1がアポトーシス抑制に重要な働きをすることを明らかにした。これはケロイド治療法確立に大きく貢献する重要な知見である。今後、ケロイド由来線維芽細胞における内因性TGF-β1をin vivoにおいてどのようにコントロールするかが課題である。
さらに、今後、多岐にわたるアポトーシスの一次情報の異常や細胞内の情報のカスケード内での異常、また、細胞増殖・分化を伝達するシグナル系とのクロストークを調べることで多面的なケロイド治療の確立に貢献するものと思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Thinle Chodon: "Keloid-derived fibroblasts are refractory to Fas-mediated apoptosis and neutralization of autocrine TGF-β1 can abrogate this resistance."American journal of Pathology. 157(5). 1661-1669 (2000)

  • [文献書誌] Thinle Chodon: "ケロイド由来線維芽細胞のアポトーシス耐性"ケロイド・肥厚性瘢痕研究会. 5. 57-61 (1999)

  • [文献書誌] 井川浩晴: "胎児における創傷治癒"Biomedical perspectives. 9(3). 39-46 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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