研究課題/領域番号 |
11470379
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 哲哉 九州大学, 歯学研究院, 助手 (70253458)
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研究分担者 |
竹内 弘 九州大学, 歯学研究院, 助手 (70304813)
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究院, 助手 (60253457)
田中 輝男 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60077667)
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キーワード | サブスタンスP / ニューロキニン1レセプター / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 免疫染色 / 骨代謝 |
研究概要 |
培養ウサギ破骨細胞にサブスタンスP(SP)を投与した場合、最初の1回だけの投与であると破骨細胞の骨吸収能の上昇は認められないが、12時間ごとなど適当な間隔をおいて反復投与を行うと破骨細胞の骨吸収能の増加が認められる。そのメカニズムを調べるために10^<-4>M-10^<-10>Mの濃度のSPを加えて12時間後のレセプターの数の変化を抗neurokinin 1-receptor(NK1-R)抗体、もしくはFITC標識SPを用いいて調べた。その結果、10^<-6>,10^<-8>M SPを加えて12時間後、有為にレセプター数の増加が認められた。これにより、SP反復投与による破骨細胞の骨吸収能の増加は細胞上のレセプター数の増加が関与している事が示唆された。 また、骨芽細胞におけるNK1-Rの発現については過去の報告では否定的な報告もあったので、我々は今回ラット頭蓋骨初代培養系骨芽細胞もしくはcell lineのRosやSaos-2を用い、RT-PCR法によってNK1-Rが発現しているかどうかを調べた。また、ラット頭蓋骨初代培養系骨芽細胞については経時的にNK1-Rの遺伝子発現を調べた。その結果、従来の報告の通りRosやSaos-2にはNK1-Rの発現が認められなかったが、ラット頭蓋骨初代培養系骨芽細胞にはNK1-Rの発現が認められた。また、ラット頭蓋骨初代培養系骨芽細胞でも培養8日目のまだ石灰化の開始前にはNK1-Rの発現がほとんどないのに対し、培養12日目以降の石灰化期にはNK1-Rの発現が認められた。以上により、骨芽細胞におけるNK1-Rの遺伝子発現は初代培養系の石灰化に認められる事が明かとなった。この事は、SPが培養後期の石灰化を促進した我々の結果を支持するものであると思われる。
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