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2000 年度 実績報告書

リン酸化オリゴ糖を用いたう蝕予防方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11470384
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

今井 奨  国立感染症研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (80072958)

研究分担者 西沢 俊樹  国立感染症研究所, 口腔科学部, 室長 (00072942)
キーワードリン酸化オリゴ糖 / ミュータンスレンサ球菌 / う蝕 / 酸発酵
研究概要

S.mutans、S.sobrinusのスクロースまたはグルコース資化に起因するpH低下に対して、リン酸化オリゴ糖(POs)は濃度依存的にこのpH低下を抑制することがわかったので、今年度はさらに同じく口腔内細菌であるActinomyces viscosusについても検討した結果、POsは濃度依存的にpH低下を抑制した。また、POsのNa型およびCa型、還元型POs(POsH)のNa型およびCa型をつくり、S.mutans MT8148株の20%菌体懸濁液の0.684%スクロース資化に及ぼすこれら種々のリン酸化オリゴ糖の影響を調べた結果、いずれのオリゴ糖もスクロースの発酵に起因するpH低下を効率よく抑制した。Na型とCa型との比較では、それほど大きな差異がなかったが、POsHにおいてCa型の方がNa型よりやや強い阻害活性を示した。PO-2についてもそのNa型とCa型、還元型PO-2(PO-2H)のNa型およびCa型の4種のオリゴ糖についてPOsの場合と同条件で検討した結果、いずれも効率よくpH低下を抑制した。4種のオリゴ糖を比較するとPO-2のCa型の阻害活性がやや弱かった。次いで、各種オリゴ糖のエナメル質再石灰化作用を調べるための準備として、できるだけ実際に近い脱灰エナメル質を得るべく人工口腔装置の構築を試みた。透明な塩ビ製二重管の中に平面電極を逆さに固定し、電極周囲にウシエナメル切片を装着し、その上部よりミュータンスレンサ球菌懸濁液、培地溶液、糖質溶液等を滴下するように工夫した。ミュータンスレンサ球菌懸濁液、BHI培地溶液、スクロース溶液を連続的に滴下し、電極面にミュータンスレンサ球菌が非水溶性グルカンを合成しながら固着して人工プラークを形成し、pHが低下する状態をつくることができた。エナメル切片にも同様の人エプラークが形成されエナメル質の明らかな硬度低下が観察された。今後、この装置を利用してさらにリン酸化オリゴ糖や他のオリゴ糖などのエナメル質脱灰抑制効果を検討する。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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