研究課題/領域番号 |
11470386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 信博 東北大学, 歯学部, 助教授 (60183852)
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研究分担者 |
岩見 憙道 東北大学, 歯学部, 助手 (60005030)
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キーワード | Porphyromonas gingivalis / Prevotella intermedia / グルタミン酸 / アスパラギン酸 / アミノ酸代謝 / ペプチド代謝 / ブチル酸 / プロピオン酸 |
研究概要 |
歯周病関連菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg)とPrevotella intermedia(Pi)は、細胞毒性代謝産物、蛋白質分解酵素、免疫活性菌体成分などの病原因子を持ち、これら病原因子の諸性質について多くの研究がなされてきた。一方、病原因子の産生及び発現調節に直接かかわる代謝-細菌がどの様にエネルギーを獲得し、菌体を形成し、その特質を発現していくのか-については報告がない。PgとPiはともに糖がなくとも増殖する"糖非依存性"の細菌であり、ホスト由来の蛋白質やペプチドを分解しそこに含まれるアミノ酸を主な栄養源として増殖するといわれる。そこで、本年度は、PgとPiのペプチド・アミノ酸代謝システムを検討し、以下のような結果を得た。 1.PgとPiは、ともに、単味のアミノ酸ではなくペプチドを効率良く取り込んで代謝することがわかった。HPLCによるアミノ酸分析から、両菌ともアスパラギン酸を含むペプチドを好んで利用し、さらにPgは、それに加えてグルタミン酸を含むペプチドを好んで利用することが明らかになった。 2.Pgのアスパラギン酸とグルタミン酸の代謝酵素を検索したところ、(1)アスパラギン酸はaspartate ammonia-lyaseによってフマル酸となり、酸化的代謝経路によってブチル酸とプロピオン酸に、還元的代謝経路によって酢酸になることが、(2)グルタミン酸glutamate dehydrogenaseと2-Oxoglutarate oxidoreductaseによってsuccinyl-CoAとなり、最終的にブチル酸とプロピオン酸になることが明らかになった。 次年度以降では、PgとPiに特異的なアミノ酸代謝酵素を決定し、その酵素の分子生物学的検討を進める予定である。さらに、両菌のペプチド取り込み機構について検討を進めたい。
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