研究課題/領域番号 |
11470391
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松尾 龍二 岡山大学, 歯学部, 教授 (30157268)
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研究分担者 |
美藤 純弘 岡山大学, 歯学部, 助手 (20240872)
船橋 誠 岡山大学, 歯学部, 助手 (80221555)
小橋 基 岡山大学, 歯学部, 助教授 (80161967)
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キーワード | 顎運動 / 胃運動 / 唾液分泌 / 網様体 / 上唾液核 / 舌 / シナプス入力 / パッチクランプ法 |
研究概要 |
研究目的 延随の外側網様体には顎口腔の自律機能や運動機能に関与する神経細胞集団がある。これら網様体の細胞は互いに連絡し、自律機能と運動機能を相互に円滑に遂行させていると考えられる。そこで平成11年度は、新鮮脳薄切標本を用いて電気生理学的に外側網様体の性質を分析した。とくに、唾液分泌または舌の血流変化に関与する神経を標識し、標識した細胞の電気生理学的膜特性、伝達物質の検索を行った。一方、顎運動、唾液分泌、胃運動を麻酔下または覚醒下の動物で測定し、顎舌運動の運動系と自律系の活動の相関関係を分析した。 研究成果 1.生後6-15日目のラットの舌または顎下神経節周囲に蛍光色素(ローダミンとFITC)を注入した。これにより顎下腺の唾液分泌を司る副交感神経と舌の血流を司る副交感神経(上唾液核細胞)を個別に標識した。新鮮脳薄切標本上で、標識した細胞のシナプス入力をホールセルパッチクランプ法で解析した。その結果、唾液腺と舌に分布する唾液核細胞はともにGABAを伝達物質とする抑制性入力とNMDAを伝達物質とする興奮性入力を受けていることが分かった。また、バイオサイチンの細胞内注入による染色によって、これらの細胞が背腹側方向に約700ミクロンの樹状突起を3〜4本伸ばしていることが判明した。今後、唾液分泌と舌血流を支配する神経細胞間の相互連絡を検索する必要がある。 2.ラットを用いて、唾液分泌量、口顎の筋電図活動、胃の収縮状態を記録した。その結果、顎舌の運動と唾液分泌の間には高い相関関係があることが分かったが、胃運動と唾液分泌量との間には個体差があることが分かった。今後さらに胃運動と唾液分泌量または顎舌運動が動物の状態(満腹状態や血液浸透圧の状態)によって影響をうけているかを検討していく必要がある。
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